プレスリリース
No.4095
2026/04/28
医用画像関連システム市場に関する調査を実施(2025年)

2024年度の医用画像関連システム市場規模は前年度比2.9%減の581億1,000万円

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の医用画像関連システム市場を調査し、セグメント別の市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

医用画像関連システム国内市場規模推移・予測
医用画像関連システム国内市場規模推移・予測

1.市場概況

本調査では、主に病院で使用される医用画像関連システムのうち、Radiology PACS(Picture Archive and Communication Systems)、Cardiology PACS、3Dワークステーション、放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)・治療RIS、検像システム(Quality Assurance System)、線量管理システム(Dose Management System)を対象として、市場規模を算出した。​

医用画像関連システムの中心となるRadiology PACSは、新規導入からリプレイス中心の市場へ移行しており、RIS・治療RISや検像システム等のPACS周辺システムについても、既に普及が進みリプレイス中心の市場になっており、PACS関連市場は概ね横ばい基調となっている。


2020年度の線量記録・管理の義務化を受けて急拡大した線量管理システム市場も、2020年度をピークとして減少傾向にある。2026年度後半以降には義務化前後のシステムのリプレイス案件が本格化すると見込まれる。

以上のような市場状況の中、2024年度の医用画像関連システム国内市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比2.9%減の581億1,000万円と推計した。2020年度からはコロナ禍の影響やその反動などで増減を繰り返してきているものの、そのような影響は徐々に少なくなってきている。

2.注目トピック

診断支援AIシステム普及の見込み

診断支援AIシステム市場は、近年、導入の初期段階を脱しつつあり、大規模病院や一部の健診事業者を中心に実装が進展している。一方で、市場全体としては本格的な普及局面には至っておらず、足元では導入件数の拡大そのものよりも、安全管理・精度管理・教育体制といった運用基盤の整備が優先されている段階にある。


こうした動きを後押しする形で、政策面では医療データベースの整備や診療データの利活用促進、導入支援策の拡充が進められている。加えて、生成AIを含む先端技術への対応として、国産LLM(大規模言語モデル)開発やガイドライン整備が進展しており、PMDA​(医薬品医療機器機器総合機構)においても審査・運用の迅速化に向けた制度整備が進められている。


需要面に目を向けると、医師の働き方改革や画像診断件数・情報量の増加を背景に、読影負荷の軽減や優先順位付けを担うAIへの期待は一段と高まっている。業務負荷の軽減と診断精度の向上を両立する研究も蓄積されつつあり、導入の合理性を補強するエビデンスとして位置づけられる。


しかし、導入拡大にはなお複数の制約が存在する。診療報酬上の評価は限定的であり、特に中小病院やクリニックにおいては費用対効果の観点から導入判断が慎重になりやすい。また、申請・審査プロセスの長期化も製品投入の制約要因となっており、市場の立ち上がりを緩やかなものにしている。


 

3.将来展望

2025年度以降の医用画像関連システム国内市場規模は、コロナ禍以降の増減が小さくなり、590億円前後で横ばい傾向での推移を予測する。
​医用画像関連システム市場がリプレイス中心の市場で新規需要獲得によるシェア拡大が困難な中、近年では業界再編が進んでいる。さらに、インフレ等に伴う原価増加に対し、納入価格への転嫁が難しく、利益率の観点では一層厳しさが増しており、事業統合や撤退の動きも進む可能性がある。



​また、医用画像関連システムベンダーの多くは、診断支援AIシステム関連のサービスを手掛けるようになっている。長期的には、診断支援AIシステム関連のサービスが医用画像関連システムベンダーの勢力図に影響を与える可能性もある。

出典資料について

2025年版 医用画像システム(PACS)・関連機器市場の展望と戦略

発刊日:2026年03月27日 体裁:A4 347ページ
価格(税込): 165,000円 (本体価格 150,000円)
※本プレスリリースに一部のオリジナル情報を加えたショートレポートもご購入いただけます。

調査要綱

1.調査期間: 2026年1月~3月
2.調査対象: 医用画像関連システム・機器の国内メーカーおよび輸入製品の総発売元
3.調査方法: 参入企業への取材(オンライン・メール含む)を中心に、公開情報分析等を併用

<医用画像関連システム市場とは>

本調査における医用画像関連システム市場は、Radiology PACS(Picture Archive and Communication Systems)、Cardiology PACS、3Dワークステーション、放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)・治療RIS、検像システム(Quality Assurance System)、線量管理システム(Dose Management System)を対象として、算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>

Radiology PACS、Cardiology PACS、3Dワークステーション、放射線情報システム(RIS)・治療RIS、検像システム、線量管理システム等

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