2024年度の国内社会インフラIT市場規模は前年度比5.5%増の7,028億円
~鉄道、道路、水関連をはじめ、ほとんどの分野で社会インフラIT投資が拡大基調に転じる~
1.調査結果概要
本調査における社会インフラIT(従来型社会インフラIT)は、道路や鉄道、空港、港湾、河川、ダム、水関連、防災・消防/警察の8分野を対象とし、国や自治体、インフラ運営事業者(高速道路事業者、鉄道事業者、民間空港等)の発注金額ベースで市場規模を算出している。
2023年度は、新型コロナウイルス禍後の2022年度の成長率からはやや鈍化したものの堅調に推移し、前年度比3.7%増の6,660億円となった。同年度では道路関連の伸びが顕著で、ETC関連や料金所安全対策設備、CCTV設備(Closed Circuit Television:閉回路テレビジョン)といった高速道路事業者向け大型案件が牽引した。また一般道路関連では、100億円超の超大型案件もみられた。
2024年度の市場規模は前年度比5.5%増の7,028億円と大幅に伸長した。同年度では鉄道、道路、水関連といった主要3分野がいずれも高伸長で、道路では100億円超の超大型案件が複数あった。また鉄道では、大手鉄道事業者を中心にIT投資が旺盛で、鉄道IT分野は堅調に推移した。さらに水関連においても大手事業者の案件が牽引し、安定的に推移した。特に水関連団体による発注が旺盛であった。
2.注目トピック
社会インフラ向けITソリューション
本調査における社会インフラ向けITソリューションとは、既存技術をベースとした社会インフラIT(従来型社会インフラIT)の中で、IoTやクラウド、ローカル5G、画像解析/データ解析AI、スマートデバイス/IoTデバイス、センサーネットワーク、ドローン(AI画像解析を含む)といった情報通信技術を活用したソリューションを指す。
社会インフラ向けITソリューションは、インフラ保全の高度化(次世代保全/状態基準保全など)や業務の最適化(業務の効率化/省人化、渋滞緩和、点検の最適化など)、政策立案/戦略立案での判断支援などの分野において期待されるソリューションである。なお、社会インフラ向けITソリューションは社会インフラIT(従来型社会インフラIT)市場規模の内数である。
社会インフラ向けITソリューションでは、IoTモニタリング/遠隔監視が様々な分野で普及しているほか、カメラ画像を元にしたAI活用(点検支援、劣化診断、防災シミュレーションなど)も普及が進む。また鉄塔/橋梁点検、防災用途などで、AI画像解析と組み合わせたドローン活用も増えている。さらにクラウドベースの台帳ソリューション(クラウドへの接続が可能なタブレット等を使った台帳システム)、スマートデバイスをベースとした現場作業支援ソリューション(AR(拡張現実)やVR(仮想現実)といった機能を付加したスマートグラスを使った現場作業向けシステムなど)の実装が始まっている。このような中で、2024年度の社会インフラ向けITソリューション市場規模は前年度比で44.4%増の130億円となり、大幅に拡大した。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】BCパターン
港湾IT
防災・警察IT
調査要綱
2.調査対象: 官公庁、地方自治体、公的機関、ITベンダー/SIer、通信事業者、建設事業者、電機メーカー、重電メーカー、建設コンサルティング事業者など
3.調査方法: 当社専門研究員による文献調査、直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング等を併用
<社会インフラITとは>
本調査における社会インフラIT(従来型社会インフラIT)とは、①道路(高速道路、直轄国道、一般国道、地方道、信号機/交通管制システムなど)、②鉄道(JRグループ、地下鉄、私鉄、公営鉄道など)、③空港(拠点空港、地方管理空港、共用空港、その他空港)、④港湾(国際戦略港湾、国際拠点港湾、重要港湾、地方港湾、56条港湾)、⑤河川(一級河川、二級河川など)、⑥ダム、⑦水関連(上水道、簡易水道、下水道、浄水場、排水処理、農業用水など)、⑧防災・消防/警察の8分野を対象とした。
社会インフラIT市場規模には、工事費(電気設備・通信設備/その他工事)、ハードウェア、ソフトウェア、設備・機器、SI(システム・インテグレーション)、コンサルティング、サービスサポート、維持管理費、要員派遣費などを含み、国や自治体、インフラ運営事業者(高速道路事業者、鉄道事業者、民間空港等)の発注金額ベースで算出している。
<市場に含まれる商品・サービス>
①道路、②鉄道、③空港、④港湾、⑤河川、⑥ダム、⑦水関連、⑧防災・消防/警察の8分野での社会インフラIT
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