シニア関連市場に関する調査を実施(2026年)
シニア層需要の関連する市場規模は主要分野全てプラス成長、新型コロナウイルス禍前を大きく上回る規模に拡大
1.調査結果概要
高齢化が進む日本では高齢者人口が増加し続けており、2025年には1947〜1949年生まれの団塊の世代が75歳以上の後期高齢者へと移行して本格的なリタイアを迎えた。他の世代よりも人口が多く経済的にも余裕を持つとされる団塊の世代が、自由な時間と消費余力を持ち始めたことで、シニア関連市場の更なる拡大が期待される。
本調査におけるシニア関連市場とはシニア層が主力ターゲットとなっている市場や、シニア層に注力したことにより好調に推移している市場を対象とし、主要な市場やサービス分野について矢野経済研究所独自の基準で定義したものである。そのため、シニア層以外の一般需要を含む市場、サービス分野も含まれる。特に、介護・リハビリや老人ホームなどといった、従来からの高齢者向け市場だけでなく、レジャー、スポーツ、趣味といったサービス分野や、流通事業者の動向も踏まえて分析している。
アクティブシニアと呼ばれるように、昨今の高齢者は概して活動的である。フィットネスや登山、海外旅行など、かつての高齢者であればあまり一般的ではなかった活動的な消費行動にも積極的に関わるようになっている。多くの産業界や企業では、若者やファミリー層だけでなく、こうした活動的なシニア層をターゲットにした販促や集客などのマーケティング活動を行うようになった。
一方でシニア層の多くは、全般的に消費活動には厳しい状況もある。有価証券などの金融資産は安定しており、一部の富裕層はその恩恵を受けているとみられるが、全体的には公的年金への不安や、将来の医療・介護費用など、今後の生活への不安がある。また昨今の物価上昇は家計を圧迫している状況にある。こうしたなかにおいては生活防衛意識が高まり、消費に対してより慎重にならざるを得ず、商品やサービスをより厳選する傾向が強まっていくと考える。シニア層の消費を取り込んでいくには、シニア層の嗜好や需要を踏まえ、厳しい選定基準に見合う商品やサービスを供給することが重要になる。
2.注目トピック
「今活(いまかつ)」元気なうちに今を楽しむシニア層の新消費行動
近年のシニア層における最新の消費トレンドとして「今活(いまかつ)」が注目されている。今活とは、今を楽しむ活動を意味し、将来のために備えるという従来のシニア層とは異なり、健康で元気なうちに今を楽しむという積極的な消費姿勢を指すといわれる。
具体的には、クルーズ旅行やオペラ・クラシックコンサートの鑑賞、高級レストランでの食事、海外旅行など、なかなか実現できないでいた体験を今すぐ実現しようとするシニア層の消費行動である。
この背景には、団塊の世代が後期高齢者へと移行する中で、健康寿命のうちに楽しみたいという意識の高まりがあるものとみる。厚生労働省のデータ※によると、平均寿命と健康寿命には差異(2022年:男性約9年、女性約12年)があり、これを意識した消費行動の一環であるものと考える。また、新型コロナウイルス禍の外出制限に対する反動として、旅行、外食、娯楽(エンターテインメント)への消費意欲が高まっていることもこうした消費行動を活発化させている一因とみられる。
企業側もこうした需要の取り込みに積極的であり、旅行会社各社はシニア向けの高付加価値ツアーを拡充させている。こうしたシニア層の消費行動は単なるトレンドにとどまらず、シニア層の生き方や価値観の変化を示すものとして、マーケティング戦略の中核に位置づける企業が増えている。
※出典:厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001363069.pdf)
出典資料について
2026年版 シニア関連市場マーケティング年鑑
価格(税込): 198,000円 (本体価格 180,000円)
調査要綱
2.調査対象: シニア世代を主力ターゲットとするマーケット、もしくはシニア世代の需要を積極的に取り込もうとしている企業など
3.調査方法: 当社専門研究員による文献調査、ならびに直接面談調査併用
<シニア関連市場とは>
本調査におけるシニア関連市場とはシニア層が主力ターゲットとなっている市場や、シニア層に注力したことにより好調に推移している市場を対象とし、主要な市場やサービス分野について矢野経済研究所独自の基準で定義したものである。そのため、シニア層以外の一般需要を含む市場、サービス分野も含まれる。本調査の対象となるのは次の12市場65サービスである。
1.介護・リハビリ市場(訪問サービス、通所サービス、短期入所サービス、施設サービス、介護福祉用品、介護ロボット)
2.住宅市場(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、シニア向け分譲マンション)
3.宅配市場(在宅配食サービス・宅配弁当、生協個配、ネットスーパー宅配、外食チェーン宅配・ファストフード宅配)
4.各種支援サービス市場(見守りサービス、家事代行サービス、シニア人材派遣・シニア向け起業支援、シニア向け婚活支援・マッチングサービス、終活支援サービス、金融サービス)
5.旅行市場(ツアー、介護旅行・バリアフリー旅行、クルーズツアー、鉄道旅行、バスツアー)
6.スポーツ市場(フィットネスクラブ、ゴルフ、登山・アウトドア、ボウリング、卓球、ダンス)
7.娯楽市場(音楽、映画、カラオケ、ゲームセンター、テーマパーク・遊園地、温浴施設)
8.趣味・習い事市場(カルチャーセンター、大学公開講座、日本文化教室、アート教室、資格取得教室、パソコンスクール、音楽教室)
9.食品・外食市場(食品、健康食品・サプリメント、介護食・高齢者食、惣菜・弁当、飲食店、コーヒー・カフェ)
10.衣料品・日用品市場(アパレル、化粧品、大人用紙おむつ、毛髪業(かつら・増毛)、杖、眼鏡・コンタクトレンズ、補聴器)
11.家電・情報機器市場(生活家電、音響機器、シニア向け携帯電話・スマートフォン)
12.流通(スーパー、コンビニエンスストア、百貨店、ドラッグストア・薬局、通信販売)
<市場に含まれる商品・サービス>
同上
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