国内インポートブランド市場に関する調査を実施(2026年)
2025年の国内インポートブランド小売市場は前年比1.6%減と5年ぶりの縮小、円高転換によるインバウンド需要の失速が影響
~2026年は円安・株高を追い風に、前年比4.5%増と再拡大を予測~
1.市場概況
2025年の国内インポートブランド(主要15アイテム分野)の小売市場規模は、前年比1.6%減の4兆4,274億円と推計した。コロナ禍以降、4年連続で拡大してきた当該市場は、2020年以来5年ぶりに前年を下回った。主な要因は、インバウンド(訪日外国人客)による需要が大幅に減少したことである。一方で、国内富裕層の消費が引き続き好調に推移したことから、市場の落ち込みは小幅にとどまったと考える。
日本政府観光局(JNTO)の統計発表によると、2025年の訪日外客数は前年比15.8%増の4,268万人となり、初めて4,000万人を突破した。インバウンドが増える一方で、消費が冷え込んだ最大の要因は為替である。2025年4月のドル円相場は、一時年初より円高の水準に振れ、これを境にインバウンド需要は急速に冷え込んだ。秋以降は再び円安基調となったが、上半期のマイナスを埋めるには至らなかった。
2.注目トピック
商品価格の継続的な値上げを背景にジュエリーを購入する動きが加速
コロナ禍以降の原材料や人件費、輸送コストの高騰に加え、円安の影響による商品値上げは2025年も継続した。
当社が集計対象にしているブランド群では、2025年の値上げはブランドにより5%~15%の差はあるものの、平均すると10%強程度であった。総じてジュエリーブランドの値上げ率は高く、また2025年以降は一斉価格改定ではなく、消費者の購買行動への影響を考慮した戦略的な値上げへと変化している。
こうしたなかで顕在化したのが、同じ金額を支出するのであれば、より資産価値の高いアイテムを選ぶという消費行動である。有力ブランドのアイコンバッグが敬遠される一方、一生ものとしてのジュエリーが選ばれる傾向が強まり、主要アイテムのなかで最大規模の「バッグ・革小物」が2020年以来の前年割れとなったのに対し、「ジュエリー」の市場規模は5年連続の拡大基調となった。ジュエリーブランド各社はこれを好機と捉えて攻勢を強めており、ジュエリーブランド以外のビッグメゾンにおいてもジュエリー強化の動きが加速している。2026年もこの流れは続くものと考える。
3.将来展望
2026年の国内インポートブランド(主要15アイテム分野)の小売市場規模は、前年比4.5%増の4兆6,252億円と予測する。
国内富裕層の消費は引き続き堅調に推移する見込みである。また、インバウンド需要についても回復を見込む。東南アジアや中東、欧米など様々な国・地域からのインバウンドが増加し、ブランド品を購入する旅行者の国籍・地域も多様化している。
加えて2026年は、主要百貨店におけるラグジュアリーフロアの大改装や大型商業施設の開業が相次いでいる。ビッグメゾンで相次いだクリエイティブディレクター交代による新たなクリエイションの本格展開も、ジュエリーに比べて伸びが緩やかだったバッグやウェアの需要拡大にもつながるものとみる。
以上のことから、当面の当該市場は緩やかな右肩上がりで推移するものと考える。
出典資料について
2026年版 インポートマーケット&ブランド年鑑
価格(税込): 198,000円 (本体価格 180,000円)
調査要綱
2.調査対象: 欧州、米国の衣料品・服飾雑貨、ウォッチ、ジュエリー、クリスタル製品・陶磁器、アイウェア、筆記具ブランドを輸入販売する商社、メーカー、小売事業者、また各インポートブランドの日本法人等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
<インポートブランド市場とは>
本調査におけるインポートブランド市場とは、従来から算出していたインポートブランド市場規模(主要10アイテム分野)に5アイテムを追加し、主要15アイテム分野とした。
主要15アイテム分野とは、①「レディスウェア」、②「メンズウェア」、③「ベビーウェア」、④「バッグ・革小物」、⑤「シューズ」、⑥「ネクタイ」、⑦「スカーフ・ショール・ハンカチ類」、⑧「レザーウェア」、⑨「ベルト」、⑩「手袋」、⑪「ウォッチ」、⑫「ジュエリー」、⑬「クリスタル製品・陶磁器類」、⑭「アイウェア」、⑮「筆記具」である。尚、いずれも欧州、及び米国からの輸入品を対象とする。
<市場に含まれる商品・サービス>
レディスウェア、メンズウェア、ベビーウェア、バッグ・革小物、シューズ、ネクタイ、スカーフ・ショール・ハンカチ類、レザーウェア、ベルト、手袋、ウォッチ、ジュエリー、クリスタル製品・陶磁器類、アイウェア、筆記具
お問い合わせ先
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。
