2024年度の語学ビジネス市場(主要13分野合計)は前年度比0.2%増の7,906億円
~生成AIなどテクノロジーの進化が目覚ましく、市場間で顧客獲得競争が激化~
1.市場概況
2024年度の語学ビジネス市場規模(主要13分野合計)は、事業者売上高ベースで前年度比100.2%の7,906億円と推計した。
2024年度の分野別内訳をみると、外国語教室市場(成人向け外国語教室市場、幼児・子供英会話教室市場、プリスクール市場)は、幼児・子供英会話教室市場はマイナスとなったが、成人向け外国語教室市場とプリスクール市場はプラス成長を果たし、外国語教室市場全体では前年度を上回る結果となった。
また、関連ビジネスおいては、語学試験市場、留学斡旋市場、幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場は前年度を上回ったが、通訳・翻訳ビジネス市場は前年度を下回る結果となった。
2.注目トピック
英語コーチングサービス、AI英会話アプリが台頭
語学スクール/オンラインサービス分野では、英語コーチングサービス、AI英会話アプリなど新たなサービスが台頭している。
成人向け外国語教室市場は、円安や物価高など市場を取り巻く外部環境は厳しいが、急増するインバウンド(訪日外国人客)や、グローバル化の進展で海外へ出国する日本人も増えており、市場は回復基調にある。市場の牽引役としては英語コーチングサービスが挙げられ、従来の英会話スクールとは異なり、受講生一人一人に専任コンサルタントがついて、自学自習を含む最適なカリキュラムを作成し、短期間で英語力を向上させるサービスである。
オンライン語学学習市場では、大手オンライン英会話サービスが苦戦を強いられている状況下で、AI英会話アプリが好調である。AI英会話アプリを語学レッスンの会話相手として活用するサービスであるが、サービス事業者はとくに2025年に入ってから積極的なマーケティングを展開している。TVCM等の投入により売上高を伸ばしている一方で、その収益性には改善の余地があるものと考える。
3.将来展望
2025年度の語学ビジネス市場規模(主要13分野合計)は前年度比99.9%の7,901億円、ほぼ横ばい推移と予測する。
外部環境としては、円安や物価高の影響といった不確定要素が残るが、生成AIなどテクノロジーの進化が目覚ましいことで、語学スクールや学習教材など市場間の垣根もなくなりつつあり、各市場、事業者間での顧客獲得競争が激しさを増している。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
幼児・子供英会話教室市場
オンライン語学学習市場
調査要綱
2.調査対象: 外国語教室各社、語学に関わる教材を開発・販売する事業者、 語学に関わるビジネスを展開する事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、 アンケート調査、ならびに文献調査併用
<語学ビジネス市場とは>
本調査における語学ビジネス市場とは、語学スクール/オンラインサービス4分野(①成人向け外国語教室市場、②幼児・子供英会話教室市場、③プリスクール市場、④オンライン語学学習市場)、学習教材5分野(⑤書籍教材市場、⑥語学独習用教材市場(ハードウェア&ソフトウェア)、⑦電子辞書市場、⑧幼児向け英会話教材市場、⑨通信教育市場)、関連ビジネス4分野(⑩語学試験市場、⑪留学斡旋市場、⑫幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、⑬通訳・翻訳ビジネス市場)の主要13分野を対象とし、事業者売上高ベースで算出した。
なお、⑩語学試験市場、⑪留学斡旋市場、⑫幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、⑬通訳・翻訳ビジネス市場については語学関連サービスとして、関連ビジネスと定義している。
<市場に含まれる商品・サービス>
成人向け外国語教室市場、幼児・子供英会話教室市場、プリスクール市場、オンライン語学学習市場、書籍教材市場、語学独習用教材市場(ハードウェア&ソフトウェア)、電子辞書市場、幼児向け英会話教材市場、通信教育市場、語学試験市場、留学斡旋市場、幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、通訳・翻訳ビジネス市場
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