2026年の偏光板世界生産量は前年比104.9%の約6.9億㎡までの拡大を予測
~2025年11月以降もTVパネル生産稼働率の高水準を予測、偏光板世界市場は面積効果が絶大なTV向けマーケット規模が圧倒的~
1.市場概況
2025年の偏光板世界市場規模は前年比104.8%の約6.6億㎡(メーカー生産量ベース)まで拡大する見込みである。米国のトランプ関税が発令される直前である2月下旬~3月頃に、関税率変動の影響を最小限にするための動きであり、TVパネルのほかスマートフォンなどの前倒し出荷が発生したが、実際に偏光板マーケット(世界市場)に影響を及ぼすオーダー量(需要量)の拡大には時間がかかるため、2025年第1四半期(2025年1月~3月)での偏光板需要拡大に前倒し需要は大きく貢献しなかった。
2025年第2四半期(2025年4月~6月)から第3四半期(2025年7月~9月)半ばにかけ実際動いた需要は中国の電子デバイス機器に対する補助金支援制度向け需要であった。補助金対象となる高透過型TVや省エネTVモデルのほか、教育用ノートブックPCとスマートフォン向けの生産需要が動いた。2025年11月以降もTVパネルを中心に生産ラインの平均稼働率の高水準を予測する。
2.注目トピック
近年の傾向は通年で一定水準を維持
2026年1月にはLCD全パネルメーカーの平均稼働率のやや低下が予想されるも、大幅な落ち込みはなく、70%台を維持できる見通しである。例年通り中国の春節連休にはパネルメーカーの平均稼働率は低下するが、2026年の春節連休は2月で、約10日の休み期間が予想されるため、平均稼働率は60%台へ 低下すると予測する。その後、連休明けからは2026年新規電子デバイス機器向けの生産維持により平均稼働率は再び上昇する見通しで、2026年3月には75%以上を見込む。
2026年4月以降もLCD全パネルメーカーの平均稼働率は75~80%を予測する。2026年においてはいくつかのスポーツイベントや中国ECモールの大型イベントである618商戦向けの需要もあり、高い平均稼働率を維持する見通しである。近年の傾向としてはオンシーズンとオフシーズンとの差はなく、通年でそれほど大きなばらつきはみられず、大型連休期間(春節)を除き、中国LCDパネルメーカーの平均稼働率は75~80%の一定水準を維持する傾向にある。
3.将来展望
2026年の偏光板世界市場規模は前年比104.9%の約6.9億㎡(メーカー生産量ベース)の成長を予測する 。近年では消費者の購買行動は政府の補助金やスポーツイベントなどに左右されず、通年で消費される傾向にあるほか、セットメーカー、パネルメーカー側も一定の在庫を維持し、一定水準を超えたら微調整に入り、その後、稼働率を再度アップさせるといった生産サイクルを繰り返すため、大幅な波はなく、安定した市場成長が見込まれる。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
モード別では大型VA・IPS向け位相差フィルム市場が堅調に成長
調査要綱
2.調査対象: 偏光板メーカー、位相差フィルムメーカー、PVA保護フィルムメーカー、表面処理フィルムメーカー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<偏光板市場とは>
偏光板とは、特定方向に偏光又は偏波した光だけに限って通過させる板であり、ディスプレイ向けに使用される偏光フィルムをさす。偏光板は全てのディスプレイに使用される主要部材であるため、ディスプレイ市場が拡大していくに伴い偏光板市場も成長していく。本調査における偏光板市場とは、LCD-TFTパネル向け、AMOLEDパネル向け、PM-VAパネル向けの偏光板のほか、TN-LCDパネル向け、STN-LCDパネル向けを加えて、メーカー生産量(万㎡)ベースで算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
偏光板、主要部材フィルム(位相差フィルム、PVA保護フィルム[保護側:Outer側]、表面処理フィルム等)
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