これを可能にする「バイオ・合成生物学」や、食の領域に応用する「フードテック」は、GX(脱炭素)や経済・食料安全保障に貢献する分野として国の重点戦略にも位置付けられています。豊かな農産物や未利用資源を持つ北海道は、これらの技術を活かすことで新たな価値創出が特に期待される地域です。
本セミナーでは、バイオ技術に関する政策動向や先進事例を紹介し、バイオ技術が北海道の食と農にもたらす可能性を発信します。
セミナー概要
13:30-13:35 ごあいさつ
13:35-13:55 講演
バイオものづくり社会への適合に向けて
経済産業省 生物化学産業課 課長補佐 中山 真 氏
13:55-14:15 取組紹介
北海道経済産業局令和7年度バイオ関連調査結果および今後の取組方針について
北海道経済産業局次世代産業課 / 矢野経済研究所
14:15-14:45 講演
細胞性食品に係る規制課題や北海道のポテンシャルについて
(一社)細胞農業研究機構代表理事。細胞性食品の業界で2019年よりルールメイキング活動として政策提言や官民連携推進などに関わる。農林水産省 フードテック官民協議会 細胞農業WT 事務局長、東京大学 先端科学技術研究センター 客員研究員を兼務するほか、経済産業省バイオものづくり革命推進WGの委員を務める。
14:45-14:55 休憩
14:55-16:15 先進事例紹介
未利用原料を用いた油脂産業構造転換に寄与するバイオものづくり技術の開発と実証
同社 未来創造研究所では、2050年の食・健康・環境問題を見据えた植物性素材研究を推進し、油脂・たん白・発酵技術を融合した新素材やサステナブル原料の創出に取り組んでいる。近年は国の支援を受け、廃棄バイオマス由来油脂や酵母油など持続可能なバイオものづくりを進めている。柴田氏は大豆など植物性素材の構造・呈味・加工特性の研究を担い、植物資源を活かした新素材開発を担当している。
てん菜由来の新食品素材『マイコプロテイン』事業への挑戦
日本甜菜製糖(株)は国内でも有数の製糖事業者であり、「てん菜糖業」から「てん菜産業」への転換を図るべく、北海道の基幹作物である甜菜の新たな活用方法の探索を進めており、発酵技術、糖質素材、バイオ由来材料の研究開発を展開している。2024年からはてん菜由来の未利用資源等を活用し、新たなタンパク源「マイコプロテイン」の培養技術を保有するNoMy JAPANと戦略的パートナーシップを締結。バイオ技術を活用した、てん菜の更なる高付加価値化や循環型ものづくりを推進している。
ノルウェー発の発酵バイオテクノロジースタートアップであるNorwegianMyceliumASの日本法人である同社は、2024年から日本甜菜製糖と戦略的パートナーシップを締結し、製糖過程で発生するてん菜由来の未利用資源等を活用した「マイコプロテイン」生産の研究開発を進めている。田中氏は国内外の事業開発を担い、「マイコプロテイン」によるバイオものづくりの社会実装を推進している。
発酵を取り入れたプラントベースフードの取り組み
植物由来の代替肉を開発する日本発のフードテック企業。畜産に依存しない新しい食の選択肢として、大豆を主原料とした代替肉「NEXTビーフ」やハンバーガーパティなど、さまざまなプラントベース食品を展開している。大学・研究機関等との共同研究を通じ「植物性培養フォアグラ」等の研究・開発も行うなど、タンパク質危機・環境負荷低減を両立させる新しい食の選択肢を国内外へ広げている。
藻類・細胞培養技術による次世代循環型食料生産~北海道発産業創出の可能性~
日本培養食料学会の代表理事として細胞農業の学術基盤整備に携わるとともに、東京女子医科大学 先端生命医科学研究所(TWIns)の所長として医工融合研究を牽引している。同研究所では、低環境負荷・持続可能な細胞培養技術と組織工学的手法を用いた細胞性食品の開発や、宇宙開発に向けたライフサイエンス研究にも取り組んでおり、日本のバイオものづくりを支える主要な研究拠点の一つである。

