2019年度版 エレクトロニクス関連フィルム市場の動向と展望 ~フィルム関連レポート総集編~
2019年に発刊した弊社の既刊レポートから、エレクトロニクス関連フィルムに関する内容を抜粋、一部加筆修正し再編集致しました。設備状況、販売見込みなどは基本的に各レポート発刊時のままとしております。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:国内外のエレクトロニクス関連フィルムメーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査し、さらに周辺調査を行うことで、ワールドワイドの高機能フィルム市場における現状と今後の動向の把握を目的とする
調査対象:QD シート、QD シート用バリアフィルム、工業・産業用バリアフィルム、AMOLED パネル用基材フィルム、AMOLED パネル封止用フィルム、Foldable 端末用カバーフィルム、低誘電フィルム、MLCCリリースフィルム、光学用リリースフィルム、偏光板出荷時保護用フィルム
調査方法:2019年に発刊した以下のレポートの内容を抜粋・再編集した。
・2018~2019年版 AMOLED パネル・主要部材市場の現状と将来展望(2019年1月31日発刊)
・新版 高機能フィルム市場の展望と戦略2019(2019年7月31日発刊)
・2019 年版 バリアフィルム市場の展望と戦略(2019年9月30日発刊)
調査期間:2018年12月~2019年9月
FCCL用PIフィルム世界市場に関する調査を実施(2019年)
5Gの普及により、アンテナやセンサー、伝送回路などで使用される高周波対応・低誘電の絶縁フィルム市場の成長が期待される
~FCCL用PIフィルムの2019年世界メーカー出荷量は、21,730万㎡(4,800t)の見込~
- 新たな社会インフラとして期待される5G関連市場
「確実な成長×未形成」なマーケットに潜在するフィルムのニーズのキャッチアップを! - 材料までさかのぼった研究開発でフィルム性能の限界を突破し新たな市場の開拓を目指せ
- 5G市場でのスタンダード確立を目指した低誘電フィルムの開発が活発化、 回路トータルの性能・使い勝手のバランスをいかにとるかがポイントに
誘電正接・吸水率をLCPに近付けた改良PIフィルムの採用始まる - ディスプレイカバー用透明PIフィルムは2019年5月~KOLONが量産開始、市場規模は2019年13万㎡/年、2020年に20万㎡/年実現なるか
アラミド、PET、ウレタンなどPIに替わる耐屈曲透明フィルムの開発も進む - QDシートではカドミフリーで展開するSamsungに対抗したローカドミタイプの開発進む、性能向上・コスト低減の技術構築が必須に
- QDディスプレイや電子ペーパーでミドル~ハイバリアフィルムが実績化、一方でガラス代替を狙った超ハイバリアフィルムはペンディング状態に
- Flexible OLEDパネルの基材はPIがスタンダードに、TFT基板、カバー代替、基板保護、TFE向けでもPI材の採用が本格化
第1章 エレクトロニクス関連フィルム市場の動向と展望
第2章 エレクトロニクス部材用フィルム市場の動向
第3章 副資材用フィルム市場の動向
調査結果のポイント
第1章 エレクトロニクス関連フィルム市場の動向と展望
新たな社会インフラとして期待される5G関連市場
「確実な成長×未形成」なマーケットに潜在する
フィルムのニーズのキャッチアップを!
材料までさかのぼった研究開発でフィルム性能の限界を突破し新たな市場の開拓を目指せ
第2章 エレクトロニクス部材用フィルム市場の動向
1.QDディスプレイ用フィルム・シート市場
QDシートはQD-TVトップのSamsung向けカドミフリータイプが成長
バリアフィルムは透明蒸着タイプでDNPが一人勝ちに
(1)QDシート市場
最大手のSamsungがプレミアムだけでなくハイエンド機種までQD-TVの展開を拡大
台数増加と大画面化で2018年以降のQDシート市場規模は年間150~180%の成長続く
(図)LCDバックライトにおけるOn Sarface方式のQD配置構造図
(表)QD-TV 市場規模及びメーカーシェア推移
(図・表)ディスプレイ用QDシートの市場規模推移
(出荷量ベース、2016年~2022年予測)
Samsung向けサプライヤーの上位3社で90%超のシェアを確保する寡占市場
2018年以降、非Samsung向けベンダーの撤退相次ぐ
(表)QDシート主要メーカー販売量推移
(表)主要QDシートメーカー生産概要
カドミフリーで展開するSamsungに対抗しローカドミQDシートの開発進む
性能向上に加えコスト低減につながる技術の構築が必須に
(表)QDシート及び材料価格
(2)QDシート用バリアフィルム市場
2018年以降、スパッタタイプから透明蒸着+ラミネートタイプへと完全にシフト
2019年の市場規模は1392.5万㎡と前年比2倍近い成長示す
(図)QDシート用バリアフィルム各種構造
(表)QDシート用バリアフィルム 価格推移
(図・表)QDディスプレイ用バリアフィルムタイプ別の市場規模推移
(出荷量ベース、2015年~2022年予測)
(表)主要QDシート用バリアフィルムメーカー サプライチェーン
2.工業・産業用バリアフィルム市場
「ガラス代替」「フレキシブルディスプレイ」の次の市場探索を!
QDディスプレイでミドルバリア、電子ペーパーやAMOLEDでハイバリアフィルムが実績化
一方でガラス代替を狙った超ハイバリアフィルムはペンディング状態に
(図)ハイバリアフィルムの機能と用途のイメージ
QDシート用バリアフィルムはスパッタ・ハイバリアから蒸着・ミドルバリアへ移行
性能・品質とコストのバランスを武器にDNPが圧倒的なシェア確保
(図・表)QDディスプレイ用バリアフィルム(ラミネートタイプ)向け
透明蒸着フィルム市場規模推移(出荷量ベース)
電子ペーパー向けでは麗光、尾池工業が10-3g/㎡/dayのハイバリアフィルムを供給
AMOLEDはウェアラブル端末でバリアフィルムによる封止が採用される
(表)電子ペーパー用バリアフィルムの要求特性例
(図)電子ペーパーパネルの構成図
(図・表)AMOLED封止用バリアフィルム市場規模推移(出荷面積ベース)
10-5~10-6g/㎡/dayの超ハイバリアフィルムは研究開発の域を出ず
(表)超ハイバリアフィルム 参入メーカー概要
3.AMOLEDパネル用基材市場
Foldable端末の製品化に伴い、「ガラス代替フィルム」需要が拡大
TFT基板、カバー代替、基板保護、TFE向けPI材の採用が本格化
Flexible OLEDパネルの基材はPIがスタンダードに
PIワニスに加え、フレキシブルディスプレイ基板用のガラス代替を狙ったPIフィルムが始動
透明ディスプレイやボトムエミッションOLEDパネル向けに透明PIの開発が進展
(図)AMOLEDパネル用使用基材状況(SmartPhone向け)
(表)Flexible OLEDパネル用PIの使用部位別概要
(表)ディスプレイ基板用PIワニス及びPIフィルムの主要メーカー一覧
(表)透明PIフィルムメーカー各社の生産拠点概要
(表)Foldable端末のカバー用透明PIフィルムメーカーのHC処理状況
Backplate Filmのベースフィルムに有色PIフィルムの採用を検討
TP基材フィルムにPIフィルム採用の動きも
2019年よりAMOLEDパネルのカバーとBackplate用PI市場が立ち上がる見込み
SECに続くHuawei、LGE等のFoldable端末の上市によるPIの需要拡大に期待
(図・表)ディスプレイ用AMOLEDパネルPI使用部位別市場規模推移
(面積ベース、2016年~2021年予測)
(図・表)SmartPhone向けFlexible・Foldable OLEDパネル市場規模推移
(枚数ベース、2016年~2021年予測)
4.AMOLEDパネル用封止材市場
Flexible OLEDパネル用薄膜封止に加え、
OLED-TV用FSAによる固定封止マーケットが絶好調
スマホ向けFlexible OELDパネルは薄膜封止(TFE)がスタンダードに
薄膜封止はPECVDによる無機膜、IJによる有機膜の積層形成技術が主流
(図)AMOLEDパネル用封止方法各種
(図)TFE(Thin Film Encapsulation)の封止構造(2.5層の場合)
(表)協立化学産業 TFE用有機材料の物性
OLED-TV向け封止材料は金属膜付きFSAを採用
Rollable-TV向けに透明PIフィルム基材のバリアフィルムの開発・提案を進める動きも
(図)FSA(Face Seal Adhesive)の構造
(図)LGDのOLED-TV向けパネル用封止構造
(図)LGDのRollable OLED-TV向けパネル用封止構造(予測図)
(表)AMOLED用タイプ別封止材の概要
Flexible OLEDパネルの搭載拡大に伴い、薄膜封止市場が大幅なマーケット拡大へ
桁違いの面積拡大が見込まれるTV向け固定封止(FSA)市場の急成長が続く
(図・表)AMOLEDパネル用封止法別市場規模(枚数ベース、2016年~2021年予測)
(図・表)AMOLEDパネル用封止法別市場規模(面積ベース、2016年~2021年予測)
5.Foldable端末用カバーフィルム市場
透明PIフィルムが先行も、アラミド、ウレタン、PETなどの開発品が追走
2019年4Q、SEC、HuaweiのFoldableスマホが満を持して発売予定
Foldable化はスマホ市場の低迷の突破口となるか?
(図)Foldableスマートフォン 市場規模予測(台数ベース)
SECの「Galaxy FoldはY-OCTA採用、BOEもタッチ機能付きOLEDパネルの開発急ぐ
アウトセルのフィルムセンサーは折り曲げ耐久性や、更なる薄肉化と高感度化が必須条件に
ディスプレイカバー用透明PIフィルムは2019年5月~韓国・KOLONが量産スタート
HC、ラミネートなどのコンバーティングがスペック実現のポイント
(表)Foldable端末のカバー用PIフィルムメーカーのHC処理状況
(表)Foldableスマートフォンカバーの構成
(表)透明PIフィルム 主要メーカー各社の生産体制
透明PIフィルムの市場規模は2019年が13万㎡/年、2020年に20万㎡/年を見込む
歩留まりを考慮した最終的なカバーコストは端末価格の6~8%程度に
(図)フレキシブルOLEDカバー用透明PIフィルムサプライチェーン
(図)Foldableスマートフォンカバー用 PIフィルム市場規模予測
(表)Foldableスマートフォン主要ブランド価格比較
アラミド、PET、ウレタンなどPIに替わる耐屈曲透明フィルムの開発も進展
(表)発売が予定されているFoldable端末製品一覧
6.低誘電フィルム市場
5G市場でのスタンダード確立を目指した低誘電フィルムの開発が活発化
回路トータルの性能・使い勝手のバランスをいかにとるかがポイントに
(表)5G対応のFPC基板材料 特性比較
誘電正接、吸水率をLCPに近付けた改良PIフィルムの採用始まる
先行するカネカを日本勢だけでなく韓国・SKC KOLON PI、台湾・TAIMIDEが猛追
(表)PIメーカー各社の低誘電グレード
PIフィルムメーカー各社のライン増設で2020年の生産能力は2018年比20%増に
(表)PIフィルム 主要アプリケーション別市場規模推移(面積ベース)
(表)PIフィルム 主要アプリケーション別市場規模推移(重量ベース)
(表)主要PIフィルムメーカー 販売量推移(面積ベース)
(表)主要PIフィルムメーカー 販売量推移(重量ベース)
(表)PIフィルム主要メーカー各社の生産体制
5G化の中で期待が集まるLCP、フィルム外販のクラレ、ポリマー供給の住友化学
多層基板で展開する村田製作所の覇権争いに
(表)5G対応基板向け材料 主要メーカーの動向
第3章 副資材用フィルム市場の動向
1.MLCCリリースフィルム市場
5G市場の立ち上がりに伴う成長に期待
スマートフォン販売不振、米中貿易摩擦などの影響で2019は市場拡大に足止め感も
5G、EV車、IoT家電などの普及・拡大で2020年以降は再び成長基調へ
(図・表)MLCC用リリースフィルム 市場規模推移
原反の高平滑PETは2021年に10万tを超える市場規模が予測される
フィルムメーカー各社はライン増設や生産グレード変更による供給能力拡大を実施
(図・表)MLCC用リリースフィルム原反(PETフィルム)市場規模推移
(表)MLCC用リリースフィルム原反(PETフィルム) メーカー別販売量推移
(図)MLCC用リリースフィルム原反(PETフィルム) メーカー別シェア推移
帝人フィルムソリューションを子会社化する東洋紡が合計シェア23%のトップに躍進
2020年にはSKCの子会社SKC HT&Mが新規参入、今後のシェア変動に注目
(表)MLCC用リリースフィルム価格動向
(表)MLCC用リリースフィルムメーカー別販売量推移
(図)MLCC用リリースフィルムメーカーシェア推移
(表)主要MLCCリリースフィルムメーカーの原反調達体制
(表)セラミックコンデンサーメーカーにおけるリリースフィルムメーカーシェア
(2019年)
(表)MLCCリリースフィルムメーカー各社の生産体制
2.光学用リリースフィルム市場
偏光板向けは日本勢、OCA向けは韓国勢がシェアを確保
偏光板リリースフィルムはトップメーカーの工場の一時停止も影響は軽微
(表)偏光板リリースフィルムメーカー各社の販売量推移
OCAリリースは韓国勢の独壇場に
3.偏光板出荷時用プロテクトフィルム市場
偏光板メーカーの中国生産拡大への対応力が問われる
偏光板用プロテクトフィルムは2,600mmの超広幅偏光板対応が課題
(表)偏光板出荷時保護用PET系プロテクトフィルムメーカー別トータル販売量
(表)PETプロテクトフィルム 主力メーカーの生産体制
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