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10日に投開票が行われた参議院選挙。投票率は総務省の発表によると、選挙区が54.70％、比例代表が54.69％。前回の2013年の52.61％を上回りましたが、1947年の第1回以降から4番目に低い投票率となりました。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた初の国政選。有権者数は新たに約240万人が加わり全国で約1億620万人となりましたが、18歳、19歳の投票率が全体に比べ低い傾向にあり、投票率の向上には結びつかなかったようです。そして東京都知事選挙。14日告示され、立候補の受付が始まりました。その顔触れは、民進党、共産党、社民党、生活の党の野党4党が統一候補として推薦するジャーナリストの鳥越俊太郎氏や強行出馬した自民党の小池百合子元防衛大臣、与党の自民党と公明党から推薦を受けた増田寛也元総務大臣など、また、高橋尚吾氏、谷山雄二朗氏、桜井誠氏、マック赤坂氏、山口敏夫氏、山中雅明氏、後藤輝樹氏、岸本雅吉氏、上杉隆氏、七海ひろこ氏、中川暢三氏、関口安弘氏、立花孝志氏、宮崎正広氏、今尾貞夫氏、望月義彦氏、武井直子氏、内藤久遠氏の計21名が立候補を届け出ており、これより17日間の選挙戦がスタートします。都知事選の投開票は今月31日です。
今週のニュースランキングは以下となります。
　

未来を見通すための戦略思考　～矢野経済研究所代表による今週のコメント

■都知事選、告示。地方との関係性を抜きに未来の東京は語れない

参院選の結果を受け、政府は10兆円規模の経済対策の策定を指示した。目玉は、JR東海が進めるリニア中央新幹線の大阪延伸の前倒しである。加えて、訪日観光客拡大のための港湾施設整備、農産物輸出のためのインフラ整備、九州、北陸、北海道の整備新幹線の早期建設、が盛り込まれるという。

2015年、日本の人口減少は過去最大の27万人に達した。全市区町村の83%で人口減、一方、東京は増加数、増加率ともにトップ、人口の一極集中が進む。地方創生、1億総活躍の掛け声は日々大きくなるが、国の在り方に関する方向性はまだ見えない。将来ビジョンを欠いた新幹線と港湾整備では再び未来へ負担を先送りかねない。

こうした中で告示された都知事選であるが、これまでのところ政党間の政争と内輪もめの場にしか見えない。「未来の日本における東京のあるべき姿」を政策として掲げ、都民に、そして、地方に問う候補者は見当たらない。
EU離脱を決めた国民投票から3週間、キャメロン氏からバトンを引き継いだテリーザ・メイ新首相は「国際社会において、大胆で新しい前向きな役割を築いてゆく」と決意を語った。東京は、「未来の日本、未来の国際社会にあって、どのような役割を担ってゆくべきか」、都知事選の争点の一つはまさにここにある。首都東京、国際都市TOKYO、についてのビジョンと施策を是非とも聞きたい。

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