プレスリリース
No.3146
2022/11/28
自然派・オーガニック化粧品市場に関する調査を実施(2022年)

2021年度の自然派・オーガニック化粧品市場は前年度比110.9%の1,642億円と推計
~2021年度の市場規模は、コロナ禍が継続する環境下で大きく業績を伸ばした企業が散見され二桁の伸長率~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の自然派・オーガニック化粧品市場を調査し、製品カテゴリー別や流通経路別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

自然派・オーガニック化粧品の国内市場規模推移と予測
自然派・オーガニック化粧品の国内市場規模推移と予測

1.市場概況

2021年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模は、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比110.9%の1,642億円と推計した。2021年時の調査では、2020年度の市場規模については前年度割れと推計したが、今回調査において微増での推移であったと修正した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う店舗休業や時短営業によるマイナス要因を、一定レベルでECがカバーしたことが主因である。これは既存のブランドも新興のブランドも含めて共通であった。2021年度においては、大きく業績を伸ばした企業が散見され、二桁の伸長率となった。

​日本でもサステナブルを意識したライフスタイルを目指す消費者が増えつつあり、自然派・オーガニック化粧品は、その趣旨に添う製品である。また、敏感肌を自覚する女性が増加していることに加え、一般化粧品に求められる機能をも有するナチュラル・オーガニック化粧品が多く流通するようになった上、その周知が広がりつつあることで訴求力が高まっており、その市場性は当面維持されると考えられる。

2.注目トピック

販路のマルチチャネル化

自然派・オーガニック化粧品はブランドがその世界観やストーリーを伝え、そのコンセプトに共感し、ユーザーになっていくという流れがあった。そのため、資本力のあるブランドを中心に都心の一等地に旗艦店を構え、その流れを伝えられる直営店を主としたチャネル戦略がとられてきた経緯がある。変化をもたらしたのはセミセルフショップ(ブランドを横断して試用・比較・購入ができる店舗)とECを主とする通販チャネルである。

今回、ECを主チャネルとして製品開発を行い、100億円規模の企業へと成長したところで直営店展開を開始するという事例があった。他にもドラッグストアやコンビニエンスストアといった、かつては、自然派・オーガニック化粧品の販路として土場になかったチャネル展開を主力としたブランドが出てきている。
化粧品はデイリープロダクト(日用品)であることから、購入しやすく気軽に買える価格というポイントを重視する消費者層も多い。コロナ禍の有事の期間もこうした店舗はライフラインとして営業をつづけた業種であるため、物流などに特段の問題が起きない限り、安定的にユーザーへの製品提供が可能である。販路の広がりが当該市場の拡大へと寄与することが期待される。

3.将来展望

2022年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模は、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比102.9%の1,690億円を予測する。経済活動が滞ったコロナ禍にあっても、微増推移という力強さを示した。2022年度は下半期を迎え水際対策が大幅に緩和され、海外からの個人旅行も解禁となったことに加え円安の影響もあって大量購入に拍車がかかるものと期待されている。自然派・オーガニック化粧品市場は、インバウンドの影響力が一般化粧品に比べて低い。そのためその要素はほぼ除外しての予測である。
社会におけるサステナブルやSDGsへの関心の高まりは、当該市場には追い風である。コロナ禍でも強さをみせた当該市場は、2022年度は2021年度の反動減をやや受けながらも堅調な推移と予測した。

オリジナル情報が掲載された ショートレポート を1,000円でご利用いただけます!

【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】
Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  自然派化粧品市場
     オーガニック化粧品市場
  • 注目トピックの追加情報
  • 将来展望の追加情報

  • 以下の 利用方法を確認する ボタン↓から詳細をご確認ください

    調査要綱

    1.調査期間: 2022年8月〜10月
    2.調査対象: 自然派オーガニック化粧品メーカー、販売代理店、小売店、関連団体等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、eメールによる調査、ならびに文献調査併用

    <自然派・オーガニック化粧品とは>

    <自然派化粧品とは>
    本調査における自然派化粧品とは、①天然植物原料を主成分としている、②化学合成成分の配合を抑制している、の2つともあてはまる化粧品をさす。

    <オーガニック化粧品とは>
    ​本調査におけるオーガニック化粧品とは、①第三者機関のオーガニック認証を取得している、②使用原料の大部分を自社及び提携農園のオーガニック素材を使用している、③ブランドラインアップの大部分にオーガニック素材を用いている、のいずれかがあてはまる化粧品をさす。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    自然派・オーガニック化粧品のスキンケア製品、ボディケア製品、ヘアケア製品、メイクアップ製品、その他

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2022年10月31日
    体裁
    A4 449ページ
    価格(税込)
    132,000円 (本体価格 120,000円)

    お問い合わせ先

    部署
    マーケティング本部 広報チーム
    住所
    〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
    電話番号
    03-5371-6912
    メールアドレス
    press@yano.co.jp
    ©2022 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
      本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
      報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
      利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。