パーソナルヘルスケアサービスはヘルスケア領域からメディカル領域までシームレスなサービス展開が進む
1.市場概況
パーソナルヘルスケアサービスには、個人の健康習慣づくりを支援する様々なサービスが存在する。
無料のパーソナルヘルスケアサービスの一般化、民間保険や自治体などによる様々なサービス普及などを背景に、個人が有料で利用するものは専門性が高く、より個人のニーズに寄り添った高付加価値なサービスが選択されている。事業者によってはターゲットを絞ったサービス提供や料金体系の変更等を行い有料サービスユーザー拡大への取り組みを行う。近年は政府のPHR(Personal Health Record)の環境整備に向けた取り組みや民間事業者によるPHR団体の設立など官民の活動が活発化している。個人が健康情報の管理・閲覧ができる環境が整うことで、より主体的に自身のPHRの管理、活用し、効率的、効果的な保険医療やヘルスケアサービスの活用が期待される。
疾患管理・予防アプリは、様々な形でアプリの展開(マネタイズ)がなされている。具体的にはフリーミアム(基本的な機能は無料、より高度な機能は有料で提供するサービス)や有料会員、アプリ購入時課金による「BtoC」(ユーザー向け課金なしの場合もある)に加え、医療機関を通じた展開の「BtoMtoP」、自治体を通じた展開の「BtoGtoC」、ヘルスケア関連企業を通じた展開の「BtoBtoC」、企業や健康保険組合を通じた展開の「BtoBtoE」が挙げられる。多くの疾患管理・予防アプリは、「BtoC」でのマネタイズ(収益化)はしていない、あるいは提供事業者の売上の一部を構成するに過ぎず、マネタイズの中心は「BtoC」以外の各種形式となっている。
2.注目トピック
疾患管理・予防アプリのDTx化や、DTxの疾患管理・予防アプリ化が注目される
本調査では非医療機器アプリに限って「疾患管理・予防アプリ」として取り上げているが、メンタルヘルス領域を中心に、アプリのDTx(治療用アプリ)化を目指す計画が進められている。医療機器承認を得て保険適用されれば、新たなマネタイズ(収益化)手法として注目される。本調査で取り上げた疾患管理・予防アプリ以外のヘルスケアアプリにおいても、DTx化を目指す計画が散見される。
3.将来展望
高齢化社会の進展を背景に予防医療への関心が高まるなか、パーソナルヘルスケアサービスは今後も拡大基調を予測する。今後は、ターゲットを細かく絞ったサービスや、複数のサービスを組み込んだパッケージ型などが展開され、一定の需要が想定される。
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調査要綱
2.調査対象: パーソナルヘルスケアサービス参入企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<パーソナルヘルスケアサービス市場とは>
本調査におけるパーソナルヘルスケアサービス市場とは、健康情報管理サービス市場(個人向けPHR(Personal Health Record)サービス、女性関連PHRサービス、電子版お薬手帳)、疾患管理・予防アプリ市場(生活習慣病管理アプリ、メンタルヘルスアプリ、その他疾患領域アプリ)、その他ヘルスケアサービス市場(自費(保険外)リハビリテーションサービス、個別化医療サービス)を対象とする。なお、電子版お薬手帳、その他疾患領域アプリ、個別化医療サービスは市場規模を算出していない。
<市場に含まれる商品・サービス>
個人向けPHRサービス、女性関連PHRサービス、電子版お薬手帳、生活習慣病管理アプリ、メンタルヘルスアプリ、自費(保険外)リハビリテーションサービス、個別化医療サービス
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