プレスリリース
No.3950
2025/11/27
フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場に関する調査を実施(2025年)

2024年のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場規模は前年比107.1%の803億9,100万円

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場を調査し、国内の参入企業の現況や動向、市場の課題と展望を明らかにした。

フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場規模推移
フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場規模推移

1.市場概況

2024年のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場は、前年比107.1%の803億9,100万円と推計した。
​分野別に市場をみると、更年期ケアに関しては更年期症状自体の認知度が上昇したことで、更年期ケア市場は2021年以降二桁成長を続けている。2023年には不妊・妊よう性/妊娠・産後ケアの市場規模を抜き、2024年には約280億円規模にまで成長した。
また、日本では特にタブー視される傾向にあったセクシャルウェルネスの市場も、金額規模は小さいものの、更年期ケア市場と同様に2021年以降毎年二桁伸長を続けており、フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場拡大に寄与している。

2.注目トピック

企業による福利厚生サービスの導入が加速

2024年2月、経済産業省は月経に伴う症状や更年期の症状、婦人科がんといった女性特有の健康課題による日本社会全体の経済損失が年3.4兆円程度に上ると試算しており、国が明確に数字を示したことがフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場に与えるインパクトは大きい。

​2013年頃から日本では、国によって健康経営が本格的に推進されるようになり、現在はその概念が定着していると言って良いだろう。そうした時流の中で、フェムケア・フェムテック市場の勃興も重なり、企業における女性の健康課題への支援も拡大していった。さらに、近年深刻化する人手不足などから、企業において重要な働き手である女性たちへのサポートが見直し・強化されたものとみられる。
先述のように、女性特有の健康課題がもたらす経済損失が膨大であることから、今後も企業による福利厚生としてのフェムケア・フェムテックに関連する支援の動きは強まっていくと考えられ、個人消費に加えて、企業での取り組みという面での市場拡大が期待される。

3.将来展望

2025年のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場は、前年比110.5%の888億6,000万円を見込む。

​専門店の閉店・規模縮小や、生理(月経)ケア分野での一部企業の撤退など、ここ数年はネガティブなニュースも目立ち、「フェムテックブーム」は一巡したように見えるが、更年期ケアやセクシャルウェルネスの認知の広がりが市場規模拡大に寄与しているものとみられる。
また、アイテム・サービスのドラッグストア・バラエティーショップでの展開も強化され、流通チャネルは全国に広がりつつある。さらに、2024年下期にはドラッグストアのPB商品も発売され、より幅広い層への訴求が可能となった。このように、アイテム・サービスおよび流通チャネルの拡大によって、フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場は「ブーム」という一過性のものではなく、「女性の健康課題に寄り添う存在」として、さらなる成長が期待される。

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Aパターン
  • 注目セグメントの動向
  •  生理(月経)アイテム・サービス
     不妊・妊よう性/妊娠・産後ケアアイテム・サービス
     更年期ケアアイテム・サービス
     ウィメンズヘルスケアアイテム・サービス
     セクシャルウェルネスケアアイテム・サービス
  • 注目トピックの追加情報
  •  「女性の健康総合センター」が開設
     流通チャネルの二極化が顕著に
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    調査要綱

    1.調査期間: 2025年7月~9月
    2.調査対象: 国内のフェムケアアイテム製造企業・販売企業、フェムテック参入企業、フェムテックアイテム流通企業 等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング調査、アンケート調査、ならびに文献調査併用

    <フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場とは>

    本調査におけるフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場とは、生理(月経)、不妊・妊よう性/妊娠・産後ケア、更年期ケア、ウィメンズヘルスケア、セクシャルウェルネスの5分野のアイテム・サービスの国内市場を対象とした。
    なお、​市場規模は各アイテムが小売金額ベースで、各アプリおよびサービスはユーザー消費金額ベースで算出した。アプリおよびサービスの市場規模には広告収入を含まない。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    【生理(月経)アイテム・サービス】吸水ショーツ・月経カップ/ディスク・ノンポリマー(コットン)紙ナプキン・布ナプキン・経血用洗剤・生理管理アプリ等、 【不妊・妊よう性ケア/妊娠・産後ケアアイテム・サービス】サプリメント(葉酸・ミネラル・ビタミンなど)・妊娠検査薬/排卵検査薬・婦人体温計・シリンジ法キット・骨盤ベルト、妊婦帯、体型戻し商品・マタニティウェア、マタニティインナー・妊娠時のスキンケアアイテム・妊活者/妊産婦向けSNS・アプリ(排卵管理、体外受精サポートなど)・不妊治療情報・クリニック検索サイト・妊活コンシェルジュサービス・子宮内フローラチェックキット、卵巣年齢チェックキット・妊産婦向けアプリ(栄養・健康管理、記録など)・妊活者/妊産婦向けオンライン相談サービス等、 【更年期ケアアイテム・サービス】サプリメント(大豆イソフラボン/エクオール系、ブラックコホシュ、ビタミン系など)・漢方(当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散、桃核承気湯等)・尿漏れケアアイテム・更年期世代向けスキンケア/・膣ケアアイテム・更年期世代向け体調管理アプリ・更年期世代向けオンライン相談サービス・郵送型エクオール検査キット等 【ウィメンズヘルスケアアイテム・サービス】 サプリメント/漢方(PMS対策、ホルモン関連など)・デリケートゾーンケアアイテム・婦人科がん(乳がん、子宮頸がん等)術後ケアアイテム(弾性ストッキング、術後用ブラジャー・インナー)・ナイトブラ・冷え対策のインナー・郵送型婦人科がん検査キット・ホルモン検査キット等 【セクシャルウェルネスアイテム・サービス】セルフプレジャーアイテム・膣トレーニングアイテム・郵送型性病検査キット等

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2025年09月30日
    体裁
    A4 458ページ
    価格(税込)
    198,000円 (本体価格 180,000円)

    お問い合わせ先

    部署
    マーケティング本部 広報チーム
    住所
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