2023年度の海藻・藻類ビジネス市場規模は221億7,700万円
~今後は藻類の多用途分野への活用により、市場は拡大傾向~
1.市場概況
本調査における国内の海藻・藻類ビジネスは、健康食品用途、農業用途、畜産・水産用途の海藻・藻類製品、次世代型藻類活用製品(次世代燃料など)、海藻養殖におけるJブルークレジット※1認証を対象とする。
2023年度の海藻・藻類ビジネス市場規模は221億7,700万円と推計した。そのうち9割程度が健康食品用途の海藻・藻類製品である。
海藻・藻類は、植物同様に空気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を発生させる光合成を行うことから、CO2削減の観点から注目されている。これに加え、藻類は体内で燃料の元となる天然油脂をつくり、蓄積することが可能であることから、次世代の燃料としての活用も期待されている。
※1. Jブルークレジットはジャパンブルーエコノミー技術研究組合の商標である。
2.注目トピック
藻類の新規用途分野での活用が進む
前述のとおり、次世代の燃料として藻類の活用が期待されており、現下、国内企業は藻類を利用したバイオ燃料製造の研究開発を実施している。
また、藻類の有用物質を活用しバイオ燃料以外でも様々な医薬品やバイオプラスチック等の原料、色素への活用に加え、藻類の特性を活かした廃棄物中に含まれる有価金属の回収や、下水処理への応用など、様々な用途分野において研究開発が行われており、事業化に向けた取り組みが進められている。
3.将来展望
2030年度の海藻・藻類ビジネス市場規模は269億4,000万円を予測する。2030年度に向けて、なかでも次世代型藻類活用製品と農業用途製品の市場が拡大するとみる。
次世代型藻類活用製品では、燃料向けの藻類活用が進むと同時に、医薬品や各種素材の原料、色素等への活用が進展すると考える。
農業用途では、特に海藻を用いたバイオスティミュラント※2製品が増加傾向にある。一方、現在使用している生産者はそれほど多くなく、海藻を用いたバイオスティミュラント製品の有用性が広く認知されることで、今後、生産者の需要拡大が見込まれることから、農業用途製品の市場は拡大傾向にあるとみる。
※2. バイオスティミュラントは、肥料や農薬などと同様に作物の栽培で使用される、作物や土壌が元々持つ機能を補助する資材であり、バイオスティミュラント自体の栄養成分とは関係なく、栄養成分の吸収効率向上及び非生物的ストレス耐性を改善する。
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調査要綱
2.調査対象: 海藻養殖・藻類培養企業、海藻・藻類関連製品展開企業、海藻養殖でのブルーカーボンの取り組み組織、関連官公庁、協会団体、研究機関等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンラインを含む)、電話等によるヒアリングならびに文献調査併用
<海藻・藻類ビジネスとは>
本調査における国内の海藻・藻類ビジネスは、健康食品用途、農業用途、畜産・水産用途の海藻・藻類製品、次世代型藻類活用製品(次世代燃料など)、海藻養殖におけるJブルークレジット※認証を対象とし、市場規模はメーカー出荷金額ベースで算出している。なお、海藻養殖におけるJブルークレジット※認証は認証金額ベースとしている。
一般的に藻類は、酸素を発生させる光合成を行う生物のうち、コケ植物、シダ植物、種子植物を除いたものの総称である。そのため、褐藻に分類されるコンブやワカメなどの大型の生物や、紅藻に分類されるクロノリ、緑藻に分類され直径が10 ㎛以下程度の小型生物のクロレラなど、多種多様な生物が含まれる。
本調査では、藻類のうち、一般的に海藻としておおよそ1mm以上の大型藻類を海藻とし、1mm未満の比較的小さく一般的に微細藻類と呼ばれるものを藻類としている。
※海藻養殖におけるJブルークレジット認証とは、海藻養殖の際に海藻により固定化されたブルーカーボン(海洋生物が取り込んだ二酸化炭素のうち、海洋生態系内に取り込まれた炭素)が、認証組織(ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE))によりクレジット化され認証されたもの。また、Jブルークレジットはジャパンブルーエコノミー技術研究組合の商標である。
<市場に含まれる商品・サービス>
海藻・藻類を用いた健康食品、農業向け製品、畜産・水産向け製品。藻類を用いた次世代型用途向け製品。海藻養殖でのJブルークレジットでの販売金額。
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