プレスリリース
No.4073
2026/03/26
PETボトルリサイクル国内市場に関する調査を実施(2025年)

2025年12月末のBottle to Bottle用リサイクルPET樹脂の国内供給能力は41.7万tの見込み
~主要ブランドオーナーによるB to BリサイクルPET樹脂の採用が拡大、次のステップは中堅ブランドオーナー、PBメーカーのrPET採用へ~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、環境対応素材の国内メーカー動向を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。
ここでは、日本国内におけるBottle to Bottle用リサイクルPET樹脂(rPET)の供給能力の見通しについて、公表する。

日本国内におけるB to B用再生PET樹脂の供給能力
日本国内におけるB to B用再生PET樹脂の供給能力

1.市場概況

清涼飲料の主要ブランドオーナー(飲料メーカー)各社では、容器包装について独自の目標を掲げて環境に配慮した設計及び材料の採用を推進している。特に清涼飲料の主力容器であるPETボトルの脱化石由来原料化が課題となっており、各社ではこれまで主に使用してきたバージンPET樹脂(vPET)からリサイクルPET樹脂(以下、rPET)やバイオマスPET樹脂への原料切り替えに積極的に取り組んできた。このうちバイオマスPEは一部で採用例も出てきているが、現状では商業ベースでの実用化には至っていない状況であり、PETボトルのサステナブル化(持続可能な事業の実現)には、使用済ボトルを原料に新たなPETボトルを製造するBottle to Bottle(B to B)リサイクルPET材料の使用が主に行われている。

​主要ブランドオーナー各社は2025年度から2026年度にかけて、自社で使用するPETボトルのB to B化率50%を達成する見込みである。そのため、2026年以降は収益性の観点からもコストアップにつながるB to B リサイクルPETの使用量についてはこれまでよりも慎重に判断すると考えられ、今後はB to B化の勢いは従来よりも緩やかなペースになるものと予測する。

2.注目トピック

2025年12月末時点での国内B to B用リサイクルPET生産能力は41万7,000t/年

日本国内におけるB to B用リサイクルPET樹脂生産能力は、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル合わせて2024年12月末時点で380,000t/年に達した。
さらに、2025年に入り、新規リサイクラー(再資源化事業者やリサイクル樹脂メーカー)の設備稼働があったことから、2025年12月末時点でのB to B用リサイクルPET供給能力は417,000t/年となったものと推計する。

​ただ、B to BリサイクルPET樹脂生産設備は定期的にメンテナンスが必要であり、そのためストップすることを考慮すると、各社合計での実際のアウトプット能力は355,000t/年~375,000t/年程度と推計する。



 

3.将来展望

リサイクラー各社のB to B用リサイクルPETの生産能力と実際の供給量は必ずしも一致しない。

B to Bは単純に使用済PETボトルを使ってボトルやプリフォームを成形すれば良いわけではなく、成形・リサイクルプロセスでかかる熱により低下したPET樹脂のIV値(粘性)をブロー成形可能なレベルに戻すための再重合設備・技術が不可欠である。また、使用済ボトルから再生した樹脂を飲料容器材料として使用するには厳しい安全・衛生技術を満たす必要がある。使用済PETボトル由来のrPETをそのレベルの品質までもっていくには、徹底した異物・汚染除去のためのアルカリ洗浄技術や、使用済PETベールからフレーク、rPETに至るまでに各プロセスでの輸送・保管も含めたトレーサビリティーも求められる。

加えて、代理汚染試験や溶出試験、官能試験などの各種試験をクリアし、樹脂としての機能や安全性が証明され材料としての安全性を満たしていたとしても、rPETの異物などによる着色がわずかにでも残っていれば容器材料としての品質を満たしていないとブランドオーナーに判断され、採用につながらない可能性が高い。既にB to B リサイクルPETを量産しているリサイクラーでも、参入当初はユーザーの求める品質について、データ上では合格レベルであったものの、樹脂の外観品質を要求レベルに達するまで引き上げるには数年かかった例もある。

現時点でB to B リサイクルPETの試作及びサンプル供給に取り組んでいるリサイクラー各社には飲料容器としての安全・衛生基準に加え、ユーザーが求める外観品質基準を満たすリサイクルPETの安定生産の早期に実現することが必要である。

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     国内市場におけるB to B化の次のステップは中堅ブランドオーナー、PBメーカーのrPET採用拡大へ
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    調査要綱

    1.調査期間: 2025年2月~2025年12月
    2.調査対象: 環境対応素材関連メーカー
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、並びに文献調査併用

    環境対応素材

    本調査における環境対応素材とは、植物由来のバイオマスフィラー、バイオプラスチック(生分解性プラスチック、バイオベースプラスチック)、サステナブルPP(リサイクルPP及びバイオマスPP)、サステナブルPE(リサイクルPE及びバイオマスPE)、CFRPの端材・廃材から回収したリサイクル炭素繊維、プラスチック使用量削減につながる食品・飲料容器(紙カートン、金属缶、プラスチック軽量容器)を指す。
    加えて各種素材(PETフィルム、PETボトル、CFRP、紙カートン、紙カップ、アルミ缶)のリサイクル動向についても調査した。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    Bottle to Bottle(B to B)用リサイクルPET樹脂

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2026年02月20日
    体裁
    A4 193ページ
    価格(税込)
    165,000円 (本体価格 150,000円)

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    部署
    マーケティング本部 広報チーム
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