プレスリリース
No.4115
2026/05/07
国内太陽光発電設備リパワリング市場に関する調査を実施(2026年)

国内太陽光発電設備のリパワリングによる増加発電量は2033年度に253百万kWhに達すると予測
~FIT制度における調達期間終了案件の増加を背景とした発電所の集約進展がリパワリング実施拡大を後押し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の太陽光発電設備リパワリング市場の現状を明らかにした。ここでは、2040年度までの国内太陽光発電設備のリパワリングによる増加発電量について、公表する。

国内太陽光発電設備のリパワリングによる増加発電量
国内太陽光発電設備のリパワリングによる増加発電量

1.市場概況

2025年度の国内太陽光発電設備のリパワリングによる増加発電量は145百万kWhと見込む。2012年度に開始されたFIT(固定価格買取)制度を契機として、国内では太陽光発電設備が大量に導入された。近年、これらの設備を構成するPCS(パワーコンディショナ)などの機器は更新が検討される局面に入りつつある。

こうした中、既設設備の性能維持・改善を目的としたリパワリングへの関心が高まっている。リパワリングの主な手法としては、PCSの交換のほか、太陽電池モジュールの交換などが挙げられる。

資源エネルギー庁「第7次エネルギー基本計画」では、2040年度に向けて太陽光発電の導入拡大の方向性が示されている。その達成に向けては、新設案件の積み上げに加え、リパワリングを通じて既設設備の発電量を維持し、長期安定的な稼働を確保することが重要となる。

2.注目トピック

PCS交換

2012年度のFIT制度導入から10年以上が経過し、FIT制度開始当初に導入された設備群を対象とするPCS交換の需要が増加傾向にある。PCSは、太陽電池モジュールが発電した直流電力を交流電力に変換する機器であり、商用系統との連系運転に必要な保護・制御機能も担う。一般的な耐用年数は10〜15年程度とされる。

PCSは故障時の復旧に数か月を要する場合がある。FIT制度を活用した売電事業者にとって、その間の売電収入の損失は収益性に影響を及ぼす。このため、事業用太陽光発電事業では、PCSの耐久性を踏まえ、FIT制度調達期間の折り返しに当たる稼働10年前後を目安に、予期しない停止の回避を目的とした予防的な交換を検討・実施する動きが出てきている。

3.将来展望

国内太陽光発電設備のリパワリングによる増加発電量は2033年度の253百万kWhまで拡大する見通しである。その後はいったん減少するものの、2030年代後半には再び増加に転じ、2040年度には235百万kWhとなると予測する。

資源エネルギー庁「再生可能エネルギーの主力電源化について」(2026年2月)によると、FIT・FIP(フィード・イン・プレミアム)制度の下で2012〜2016年度に導入された事業用太陽光発電設備は約2,900万kW・約46万件に上る。これらは2032〜2036年度に調達期間・交付期間の終了を迎える予定である。こうした案件の集約が進み、設備更新や発電量向上に向けた投資が促進されることで、リパワリング需要の拡大が見込まれる。

政策面では、既設太陽光発電設備の集約と長期安定運用を担う主体を認定する「長期安定適格太陽光発電事業者」制度が創設され、2025年4月から認定申請の受付が開始された。同制度は、既設太陽光発電設備の事業集約と再投資・リパワリングを促す枠組みとして位置付けられている。

また、FIT制度の開始初期に導入された設備群が25年以上の経過年数に達する2030年代後半以降は、パネル交換需要も徐々に高まり、市場拡大を後押しすると予測する。

出典資料について

2040年の再生可能エネルギーマーケット ~リパワリング・リプレース編~

発刊日:2026年03月30日 体裁:A4 159ページ
価格(税込): 165,000円 (本体価格 150,000円)
※本プレスリリースに一部のオリジナル情報を加えたショートレポートもご購入いただけます。

調査要綱

1.調査期間: 2026年1月~2026年3月
2.調査対象: 発電事業者、EPC事業者、O&M事業者、周辺機器を含む設備メーカー等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話調査、ならびに文献調査併用

国内太陽光発電設備リパワリングについて

国内太陽光発電設備のリパワリングとは、住宅用を含む既設の太陽光発電設備に対し、主要機器の交換、追加導入または構成変更などを実施することで、発電性能の維持または改善を図る改修を指す。


国内太陽光発電のリパワリングによる増加発電量とは、各年度に新たに実施されたリパワリングによって、当該年度において増加する年間発電量を指す。

<市場に含まれる商品・サービス>

PCS交換、PCS構成変更、オプティマイザ導入、太陽電池モジュール交換、太陽電池モジュール交換・両面化・反射材導入、太陽電池モジュール増設

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