プレスリリース
No.4121
2026/06/04
カーボンナノチューブ世界市場に関する調査を実施(2026年)

2025年のカーボンナノチューブ(CNT)世界出荷量は15,000tを超える見込
~多層CNTに加え単層CNTでもLiB導電助剤が主要用途として顕在化~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、カーボンナノチューブの世界市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

カーボンナノチューブ世界市場規模推移と予測
カーボンナノチューブ世界市場規模推移と予測

1.市場概況

2025年におけるカーボンナノチューブ(Carbon Nanotube、以下 CNT)の世界市場規模は、メーカー出荷量ベースで前年比130.6%の15,542tになる見込みである。

ただ、電気自動車(EV)の市場成長率に鈍化の兆しが生じる中にあって、これまでCNT市場の成長ドライバーとなってきたリチウムイオン電池(LiB)導電助剤としての需要の伸び率は縮小傾向にある。特に、環境規制緩和などの政策転換が進む米国でCNT市場の需要が減少傾向にある。一方、中国や欧州での需要は引き続き増加傾向にある。

2.注目トピック

単層CNT世界市場の動向

単層CNTは、直径と巻き方の幾何学形状がカイラル指数(n,m)によって決まり、カイラル指数によって金属型や半導体型になるといったユニークな特性を有する。軽量かつ優れた電気伝導性や熱伝導性、機械的特性を有することから、次世代素材として長年にわたり研究されている。想定用途もエネルギー(二次電池、燃料電池、太陽電池等)、エレクトロニクス(半導体回路、透明電極、放熱部材等)、自動車・航空(強化材料等)など幅広い。 ESD​(静電気放電)床材や帯電防止手袋などの塗料・コーティング、Oリングやローラーといったゴム・エラストマー複合材料向けを中心に採用が進み、2019年にはLiBの負極向け導電助剤としての需要が立ち上がった。最近ではLiBの正極向け、さらには全固体/半固体電池向けの出荷(サンプル含む)が始まったことで、単層CNTの世界市場規模は急成長している。

3.将来展望

近年は中国・韓国の多層CNTメーカーが単層CNTの量産体制を整えつつある。中国ではスタートアップの新規参入もあり、日本の単層CNTメーカーも事業の軸足をLiB向けに移す傾向にある。現状では需要に供給が追い付いていないと見る向きもあり、当面は各社による継続的な設備投資が続くと考える。

出典資料について

2026年版 カーボンナノチューブ市場の現状と将来展望

発刊日:2026年03月31日 体裁:A4 133ページ
価格(税込): 220,000円 (本体価格 200,000円)
※本プレスリリースに一部のオリジナル情報を加えたショートレポートもご購入いただけます。

調査要綱

1.調査期間: 2026年1月~2026年3月
2.調査対象: カーボンナノチューブメーカー
3.調査方法: 当社専門調査員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献による調査

<カーボンナノチューブ市場とは>

カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube、略称CNT)は、グラファイトシートが円筒状になった独特の形状の炭素同素体であり、一般的には直径1~数10nm、長さ1~数10μm程度のものを指す。

本調査では、単層CNTと多層CNTに加え、類似の構造体で直径100nm超となる株式会社レゾナックの「VGCF®」を含めた広義のCNTを対象として、メーカー出荷量ベースで市場規模を算出した。
※「VGCF®」は株式会社レゾナックの商標

<市場に含まれる商品・サービス>

単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ

お問い合わせ先

部署
マーケティング本部 広報チーム
住所
〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
電話番号
03-5371-6912
メールアドレス
press@yano.co.jp
©2026 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
  本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
  報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
  利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。