第1章 カーボンナノチューブ市場の現状と将来展望
多層CNTに加え単層CNTでもLiB導電助剤がキラーアプリとして顕在化
異分野で培ったアセットの活用が日本独自の用途開発を後押しする
(図・表)CNT世界市場規模推移(2022年~2030年予測:重量)
(図・表)CNT世界市場規模推移(2022年~2030年予測:金額)
第2章 単層カーボンナノチューブ市場の展望
(1)市場動向
LiB導電助剤がキラーアプリとなり市場の成長スピードが加速
2025年の世界市場規模は276億円となる見通し
(図・表)単層CNT世界市場規模推移(2022年~2030年予測:重量・金額)
中国メーカーの存在感が増し、OCSiAl一強時代から多極化へと向かう
(図)単層CNT市場メーカーシェア(2025年見込み:重量)
(表)主要単層CNTメーカー 生産体制一覧
(2)アプリケーション動向
EUVペリクル用CNT製メンブレンの量産化が迫る
半導体製造装置部品などで顧客評価が進展
①LiB導電助剤
(図・表)単層CNT世界市場規模推移(2022年~2030年予測:用途別・重量)
(図・表)単層CNT世界市場規模推移(2022年~2030年予測:用途別・金額)
(表)全固体・半固体電池 主要メーカーの正極・負極材料採用動向
②複合材料
(ⅰ)ゴム・エラストマー複合材料
(ⅱ)樹脂複合材料
②コーティング・塗料
③EUVペリクル
④熱電変換素子
⑤固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell :PEFC)
⑥人工光合成
⑦電界効果トランジスタ
第3章 多層カーボンナノチューブ市場の展望
(1)市場動向
キャズムによる低迷から脱し、多層CNT市場は2025年に前年比30%増で着地へ
(図・表)多層CNT世界市場規模推移(2022年~2030年予測:重量・金額)
中国メーカーが好調を維持する一方、韓国メーカーの市場シェアが低下
(表)多層CNT市場メーカーシェア推移(重量:2022~2025年見込み)
EV市場の減速を受け、設備投資計画の見直しが相次ぐ
(表)主要多層CNTメーカー 生産体制一覧
(2)アプリケーション動向
LiB分野では拡大するLFPセル向けの開発が進展
①LiB 導電助剤
(図・表)多層CNT世界市場規模推移(2022年~2030年予測:用途別・重量)
(図・表)多層CNT世界市場規模推移(2022年~2030年予測:用途別・金額)
(図・表)LiB正極材 活物質別世界市場規模推移(2022年~2026年予測:重量)
LiB導電助剤市場では多層CNTの構成比が上昇傾向
(図・表)LiB導電助剤 正極向け材料別世界市場規模推移
(2022年~2030年予測:重量)
(図)LiB導電助剤向け多層CNT粉末 メーカーシェア(2025年見込み:重量)
②複合材料
(ⅰ)樹脂複合材料
・電気・電子分野
・自動車分野
・スポーツ・レジャー分野
・固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell :PEFC)
(図)PEFC単セルの主な構成イメージ
③その他
・熱界面材料(Thermal Interface Material:TIM)
(図)垂直配向タイプのCNTを用いたTIMの構造図(例)
・面状発熱体
・電磁波遮断/吸収シート・フィルム
(図)電磁波吸収と電磁波反射の違い
・分散液・コート液
・配線材料
・コンクリート
第4章 カーボンナノチューブ関連企業の動向と戦略
日本ゼオン株式会社
単層CNTを次期成長ドライバーの一つと位置付け
事業拡大フェーズへの移行を目指す
台湾のスタートアップSiAT社に資本参加し
LiB分野で粉体から導電ペーストまでの垂直統合モデルの構築に取り組む
シリコン負極向け導電助剤、半導体製造装置向けPTFE複合材料など
量産化を控える用途が増加傾向
株式会社名城ナノカーボン
高結晶・高純度な単層CNTの用途開発を着実に進める
2026年3月に「滋賀県米原市における地域産業と連携した水素製造・利活用調査」に参画
2027年度に初期量産工場の本格稼働を計画
早期に10t/年規模の生産体制を目指す
楠本化成株式会社
高品質な単層CNTと高度な分散技術を組み合わせ
用途開発を加速させる
LiB向けを中心に単層CNT製品の売上高は増加傾向
シリコン負極に続き、ハイニッケル系NCM正極向けでの採用を目指す
高圧水素タンクなど複合材料向けの展開を強化
KORBON Co., Ltd.
LiB分野を成長ドライーバーと位置付け経営資源を重点投入
2026年に年間15トンの単層CNT生産体制を構築、さらなる増強も視野に入れる
シリコン負極向け導電助剤としての顧客評価が順調に進む
正極向けの引き合いも増加傾向
江蘇天奈科技股份有限公司(Jiangsu Cnano Technology Co.,Ltd.)
導電助剤として継続的な技術革新に取り組み
EVの高性能化に貢献
2025年末に二つの大型投資プロジェクトが完了
2025年は製品ミックスの戦略的な調整を実施
単層CNTは好調な滑り出しを見せる
山東大展納米材料有限公司(Shandong Dazhan Nano Materials Co., Ltd.)
高品質のCNT製品を競争力ある価格で市場に供給し
多層CNT市場で高いシェアを維持
2025年に多層CNTペーストの1万t/年設備が稼働
生産能力10t/年の体制を整え、単層CNT市場に参入
複合材料用途では3C向けを中心に顧客数が増加傾向
中国科学院成都有機化学有限公司(Chengdu Organic Chemicals Co., Ltd. / Timesnano)
高度なCNT触媒技術などを活用し
技術移転や産業化を推進
シリコン負極に加えハイニッケルNCMやLFP向けに
単層CNTの需要が好調
深圳飛墨科技有限公司(Shenzhen FaymoTechnology Co., Ltd.)
テクノロジーマップを描き
CNTの高純度化、少層化、長尺化に取り組む
2025年に単層CNT粉末10t/年、ペースト2,500t/年の供給体制を整備
超臨界流体を用いたin‑situ重合により
分散性を高めたXCシリーズが量産段階に移行
Kumho Petrochemical Co., Ltd.
LiB市場への展開が本格化
CNT製品のラインアップ拡充を急ぐ
麗水工場で多層CNT粉末360t/年の生産体制が整う
2026年にLiB導電助剤向けの需要本格化へ
導電性やアスペクト比などを高めた少層CNTの開発にも取り組む
JEIO Co., Ltd.
単層から薄層、多層まで高品質なCNTをフルラインアップ
二次電池から半導体などへ応用領域の拡大を目指す
安山第二工場が完成し、多層CNTは1,000t/年の増強を実施
2026年には単層CNTの量産設備が稼働予定
ハイニッケルNCMに加え、ESS用を中心とするLFP向けの展開を強化
産学官連携によりEUVペリクル用CNTメンブレンの開発に乗り出す
TPR株式会社
幅広い需要分野を対象に
全方位で高付加価値用途の開発に取り組む
長尺CNTを活用した高付加価値用途の開発を加速
感度と強度を両立させた長尺CNT/PE製次世代釣り糸の開発に成功
Yarnable®ブランドで2026年末の発売を目指す
戸田工業株式会社
メタン直接改質法の触媒・プロセス技術を進化させ
多層CNTの高付加価値化を推進
2025年9月に未利用天然ガスを原料とした
DMR法による水素製造プラントが完成
ガス吸着材成形助剤など多層CNTの用途開発が進展
高圧ガス工業株式会社
アセチレンを起点とした新商材の事業化に向け
CNTのアプリケーション開発を加速させる
2026年夏に土浦研究所敷地内で長尺CNTの量産工場が稼働
樹脂コンパウンド、全固体電池、面状発熱ヒーターなどで顧客評価が進展
トーヨーカラー株式会社
高度な分散技術を応用し
LiBの高容量化、高出力化、長寿命化に貢献
米国EV市場の成長減速が逆風となるも
LiB用CNT分散体の需要は欧州・日本で底堅く推移
LFP正極やシリコン負極向け、さらには全固体電池向けCNT分散体の開発を加速
事業領域は車載用から民生機器やデータセンター向けESSなどへ拡大
リンテック株式会社
独自のCNT製造プロセスを基軸に
ビジネス領域拡大と社会課題解決につながる製品開発を強化
1万枚/年規模の第一次量産体制の構築を図り
2026年にCNT製ペリクルの供給スタートへ
CNTヤーンはセンサー用途への展開を強化
ロボット分野での引き合いが増加傾向
カナデビア株式会社
アッセンブリ技術を駆使し
垂直配向性CNTの用途開発を推進
HiTaCa®フィルムヒータが鉄道分野で採用を獲得
CNT Solution Co., Ltd.
ナノ素材を対象とした分散・加工技術を競争優位性とし
企業の成長スピードを加速させる
燃料電池用CNT配合セパレータは年産20万枚の量産設備が稼働中
産業用PEFC向けを中心に需要を取り込む
CNTの乾式分散プロセス、CQDの量産化技術を確立し
次世代二次電池分野での売上拡大を目指す
aweXome Ray Inc.
CNTヤーン・繊維をコア製品とし
半導体や自動車分野への事業展開を推進
FC-CVD法とRoll to Rollシステムを組み合わせ
フルサイズのEUVペリクル用メンブレンの連続製造技術を確立
軽量配線材料では政府の研究開発プロジェクトに参画し
EV用高速充電ケーブルやワイヤレス充電コイル向けに開発が進展