プレスリリース
No.4124
2026/06/15

紙パッケージ市場に関する調査を実施(2026年)

需要低調も価格転嫁効果で紙パッケージ市場は拡大傾向、2026年度には2兆円規模を予測
~人口減・少子高齢化、コスト高騰のなか、紙パッケージは成長軌道を描けるか~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の紙パッケージ市場の調査を実施し、紙パッケージの分野別動向、参入企業の動向や将来展望を明らかにした。

紙パッケージ市場規模推移・予測(6分野計)
紙パッケージ市場規模推移・予測(6分野計)

1.市場概況

本調査における紙パッケージとは、段ボール、紙器、紙カップ、液体紙カートン、紙袋、パルプモールド(ウェット製法のみ)の6種を対象とする。2024年度の国内紙パッケージ市場規模(6分野計)は前年度比2.2%増の1兆9,513億4,500万円、2025年度は前年度比1.8%増の1兆9,868億3,000万円となる見込みである。

ここ数年、物価高による消費者の買い控えが全体的に紙パッケージ需要を押し下げているが、2024年度はスーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売業における食品を中心とする安価なプライベートブランド商品やインスタント食品などが需要を下支えしたことや、消費者の節約志向が高まるなか、外食ではファストフード向けが堅調に推移したことなどから、需要は大きく落ち込むことはなかった。2025年度も同様の需要動向となっており、弱含み基調は続くものの、底堅く推移する見通しである。

​​こうした需要動向の中で、2022年度以降、大半の紙パッケージ事業者では原燃料費や物流費、人件費等のコスト上昇分に対する価格転嫁を断続的に実施しており、その効果により紙パッケージの単価は上昇傾向にある。そのため、金額ベースの市場規模については近年増加基調となっており、2025年度も同様に増加するとみる。

2.注目トピック

紙パッケージの用途別動向

本調査対象の紙パッケージの6分野について用途別(機能別)に「外箱・外袋(段ボール+紙袋)」、「中箱(紙器)」、「一次容器(紙カップ+液体紙カートン)」に分類した場合、外箱・外袋と中箱の構成比(金額ベース)は8割強となる。市場規模(金額ベース)全体は近年増加基調で推移しているが、用途別で見ても外箱・外袋、中箱、一次容器はいずれも増加傾向となっており、用途によってそれほど差異は見られない。ただ、構成比の推移については、一次容器が近年やや上昇傾向にある。

一方、重量ベースを見ると、外箱・外袋と中箱が減少基調にある一方で、一次容器は横ばいから微増で推移している。それにより重量ベースでの市場規模全体の構成比においても、比較的一次容器がやや上昇している。

​紙カップや液体紙カートンといった一次容器は製品を直接封入する容器であることから、需要は紙パッケージのなかでも、弱含みながらも安定しているとみる。

3.将来展望

2026年度の国内紙パッケージ市場規模(6分野計)は前年度比3.1%増の2兆475億3,000万円になると予測する。

新型コロナウイルス禍を契機とした需要変動期を経た2026年度以降の紙パッケージ市場では、人口減、少子高齢化による需要減少が想定されることに加え、物価上昇を背景としたブランドオーナーのコスト削減意識の高まりに伴う省包装化の進展も市場へのマイナス要因になると見られ、今後も紙パッケージ需要は上向きにくい状況になると考える。

​一方で中東情勢等の地政学的リスクの高まりによる原燃料費の高騰や、働き方改革の進展などの影響を受け、全般的な人手不足による人件費の上昇等から紙パッケージ事業者のコスト負担が更に増加することが想定されることから、2026年度は価格転嫁効果が引き続き市場を押し上げる見通しであり、紙パッケージ市場は2兆円規模に達すると予測する。

出典資料について

2026年版 紙パッケージ市場の展望と戦略

発刊日:2026年04月30日 体裁:A4 200ページ
価格(税込): 165,000円 (本体価格 150,000円)
※本プレスリリースに一部のオリジナル情報を加えたショートレポートもご購入いただけます。

調査要綱

1.調査期間: 2026年3月~4月
2.調査対象: 紙パッケージコンバータ及び関連メーカー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、郵送アンケート調査ならびに文献調査併用

<紙パッケージとは>

本調査における紙パッケージとは、段ボール、紙器、紙カップ、液体紙カートン、紙袋、パルプモールドの6種の紙パッケージを指す。なお、紙袋については手提げ袋と角底袋、パルプモールドについては、ウェットパルプモールド(ウェット製法)のみを対象としている。なお、6分野の市場規模について、段ボールは生産金額ベース、紙カップ、液体紙カートンは出荷金額ベース、紙器、紙袋、パルプモールドは事業者売上高ベースで算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>

段ボール、紙器、紙カップ、液体紙カートン、紙袋(手提げ袋、角底袋)、パルプモールド(ウェット製法のみ)

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