プレスリリース
No.4181
2026/09/09

自動運転・先進運転支援システムの世界市場に関する調査を実施(2026年)

世界における2035年のレベル2+高速NOA/レベル2++都市NOAの新車搭載台数は4,228万台と予測
~レベル2ADASの高度化が中国で急速に進展~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、自動運転(AD)/先進運転支援システム(ADAS)の世界市場の調査を実施し、AD/ADASのシステムレベル別市場概況、地域別の搭載動向、主要参入メーカの事業戦略を明らかにした。
ここでは、2035年までの世界におけるAD/ADASの新車搭載台数についてシステムレベル別に予測する。

AD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)の世界市場規模予測
AD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)の世界市場規模予測

1.市場概況

2025年の世界におけるAD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)の新車搭載台数は6,825万1,000台となった。このうち、レベル1/レベル2(L1/L2:運転支援)は、5,772万台で全体の84.6%を占める。一方、高度な運転支援機能を備えたレベル2+/レベル2++(L2+/L2++:高度運転支援)は、1,051万6,000台で15.4%まで拡大した。レベル3(L3:条件付き自動運転)およびレベル4(L4:高度自動運転)は、0.1%以下にとどまり、現時点では限定的な市場となっている。

L2+/L2++の普及が進む中国では、高速道路を対象とするL2+高速NOA(Navigation on Autopilot)に加え、一般道・市街地を対象とするL2++都市NOAの搭載が急速に拡大している。NOAとは、目的地までの走行経路に沿って、車線変更や合流・分岐などの運転操作を支援する高度運転支援機能のことで、特にL2++都市NOAでは、信号認識、交差点での右左折、車線変更、合流・分岐など、複雑な交通環境における運転操作をシステムが支援する。こうした高度ADASの実現に向け、高性能SoC(System on Chip)、8MPカメラ(800万画素相当の高解像度カメラ)、ミリ波レーダ、LiDAR、AIなどの採用が進んでいる。また、中国市場での普及を背景に、欧州や日本の自動車メーカーも中国のAD/ADAS技術企業との提携や技術導入を進めており、中国向けモデルを中心にL2+高速NOA/L2++都市NOAの搭載が活発化している。

2.注目トピック

中国で進む高度ADAS(L2+高速NOA/L2++都市NOA)のAI化

中国ではL2+高速NOA/L2++都市NOAの普及とともに、AI技術の適応が急速に進展している。技術面ではEnd-to-End(E2E)AIに加え、Foundation Model、Vision Language Model(VLM)、Vision Language Action(VLA)などのAI技術を適用した運転支援システムの量産車への導入が始まっている。これにより、車両周辺の認識に加え、複雑な交通状況を理解し、走行状況に応じてシステムが適切な運転操作を支援するなど、L2+/L2++の高度化と安全性の向上を目指した開発が進んでいる。また、AIモデルの高度化を受けて、自動車メーカーによるSoCの独自開発やAI演算性能の向上も進んでいる。

さらに、システムの高性能化とコスト低減により、L2+/L2++の搭載は高級車から普及価格帯の車種へと拡大している。中国で先行するE2E AIやVLM/VLAなどの技術は、今後は世界の主要自動車メーカーにも採用が広がり、AD/ADASの開発競争を加速させるものとみる。

3.将来展望

2030年以降については、中国で先行して普及するL2+高速NOAおよびL2++都市NOAが、米国、欧州、日本でも搭載車種を拡大し、AIを活用したL2+/L2++を中心とする高度ADASが市場成長をけん引すると予測する。
2035年の世界におけるAD/ADAS新車搭載台数は9,356万台に達し、レベル1/レベル2(L1/L2:運転支援)は4,763万台、レベル2+/レベル2++(L2+/L2++:高度運転支援)は、4,228万台、レベル3(L3:条件付き自動運転)およびレベル4(L4:高度自動運転)は、365万台と予測する。

レベル1/レベル2(L1/L2:運転支援)は、ASEANやインドなどの新興国・地域での本格的な普及が進むことで、一定の市場規模を維持する見通しである。レベル3(L3:条件付き自動運転)は高速道路など特定の走行条件を中心に、一部の高級車への採用にとどまるものとみる。一方、レベル4(L4:高度自動運転)は、ロボタクシー、シャトルバス、物流車両など、特定エリア・用途での商用サービスを中心に市場が拡大する見込みである。

市場拡大に向けては、AI技術の進化に加え、AD/ADASに関する国際基準や各国の法制度整備が重要な要素となる。技術開発と制度整備の進展により、世界のAD/ADAS市場は持続的に拡大すると予測する。

出典資料について

2026年版 自動運転システムの可能性と将来展望

発刊日:2026年07月31日 体裁:A4 188ページ
価格(税込): 220,000円 (本体価格 200,000円)
※本プレスリリースに一部のオリジナル情報を加えたショートレポートもご購入いただけます。

調査要綱

1.調査期間: 2026年4月~7月
2.調査対象: 自動車メーカー、一次部品メーカー、半導体メーカー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含)、電話によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用

<自動運転システム/先進運転支援システムとは>

自動運転システムは、SAE(米国自動車技術者協会)が自動化レベルを0~5の6段階で定義している。ドライバーが周辺監視を担うレベル1・2は「運転支援(ADAS)」、システムが動的運転主体となるレベル3以上は「自動運転(AD)」に分類される。レベル1はAEB(自動緊急ブレーキ)やACC(アダプティブクルーズコントロール)などの単機能支援、レベル2は操舵と加減速を組み合わせた運転支援を行うが、運転責任はドライバーが負う。

近年は、SAEの定義にはないレベル2+(高速道路ハンズオフ、高速NOA)やレベル2++(都市NOA)が普及している。これらはレベル2に属する高度運転支援であり、システムがアクセル、ブレーキ、ステアリングを統合制御し、ドライバーの監視のもと、高速道路や一般道でナビゲーションに沿った走行を支援する。

レベル3は条件付き自動運転で、作動条件下ではシステムが運転を担い、必要時のみドライバーが介入する。レベル4は限定された運行設計領域(ODD)内でシステムがすべての運転を行い、レベル5は場所や条件の制約なくシステムが運転を行う完全自動運転である。

本調査では、乗用車および車両総重量3.5t以下の小型商用車の新車に搭載されるAD/ADASシステムを対象に、市場規模を搭載台数ベースで算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>

先進運転支援システム(レベル1、レベル2、レベル2+高速NOA、レベル2++都市NOA)、自動運転システム(レベル3、レベル4、レベル5)

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