プレスリリース
No.2510
2020/09/16
フィールドワーク支援ソリューション市場に関する調査を実施(2020年)

2019年度のフィールドワーク支援ソリューション市場は前年度比29.6%増の442億円
~新型コロナウイルスの影響で2020年度は前年度割れの見込、2021年度以降は回復基調を予測~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のフィールドワーク支援ソリューション市場を調査し、需要分野別の動向、分野毎の主なソリューション事例、将来展望などを明らかにした。

フィールドワーク支援ソリューション市場規模推移・予測
フィールドワーク支援ソリューション市場規模推移・予測

1.市場概況

2019年度の国内フィールドワーク支援ソリューション市場(事業者売上高ベース)は、前年度比129.6%の442億円と推計した。なお、市場規模には、ITベンダーがパッケージやソリューションとして提供しているものに加えて、大規模なSI/システム開発案件の一部を構成する類似ソリューション、PoC(概念実証)/実証試験段階のもの、さらにはユーザ事業者の自社開発システム分なども対象としている。
需要分野別にみると、製造、建設及びインフラ設備/エネルギー設備保全などのプロジェクト規模の大きな案件がマーケットを牽引している。一方で、稼働中のシステム数/デバイス数の多い介護や医療/ヘルスケア分野では、一件当りの案件規模が限定的なため、市場に占める構成比率は低い。

2.注目トピック

業務支援ソリューション

フィールドワーク支援ソリューションは、「業務支援」「健康・安全管理」「教育・研修/トレーニング」の3つのソリューションに大きく分類できる。
「業務支援」は現場作業者の業務支援を行うソリューションで、製造/工場をはじめとした各種設備・機器の保全/メンテナンス業務を支援するシステムが主体となっている。その他、現場業務全般での作業支援や業務の効率化、事務作業の軽減(台帳ソリューションなど)を目的としたソリューションも多い。近年では、各種ロボットを利用したシステムソリューション(作業支援、コミュニケーション、協働型、業務用など)も増えており、工場や大型商業施設、交通拠点(ターミナル駅、空港など)、建設現場などでの実装が進む。

3.将来展望

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、システム開発や実証試験、現場での実装などの多くの作業が遅延しており、2020年度のフィールドワーク支援ソリューション市場(事業者売上高ベース)は、前年度比97.5%の431億円と前年度割れを見込む。
コロナ禍が収束し、経済環境の回復とともに2021年度以降は拡大基調に転じ、2022年度頃からはローカル5G/5Gソリューション(第5世代移動体通信システム)に連動したフィールドワーク支援ソリューションも登場する見通しで、2022年度以降は年率20%超の高成長が続くと予測する。

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  • セグメント別の動向
  •  フィールドワーク支援ソリューション市場規模推移(システム数ベース)
     フィールドワーク支援ソリューション市場規模推移(デバイス数ベース)
     需要分野別のフィールドワーク支援ソリューション内訳(システム数ベース)
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  •  健康・安全管理ソリューション
     教育・研修/トレーニング
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    調査要綱

    1.調査期間: 2020年5月~8月
    2.調査対象: ITベンダー、SIer、デバイスメーカー、通信事業者、ユーザ事業者、インフラ運営事業者など
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話やeメールによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用

    <フィールドワーク支援ソリューション市場とは>

    フィールドワーク支援ソリューションとは、スマートデバイスやタブレットを始めとしたIT機器/IoTテクノロジーを活用した、ユニフォームを着て作業する現場作業者の業務をサポートするシステムを指し、作業者の業務負担の低減や作業効率の向上、働き方改革やワークスタイル変革への対応、作業者教育・トレーニング支援、ノウハウ継承支援などの実現を目的として導入される。

    本調査におけるフィールドワーク支援ソリューション市場規模は、タブレットやスマートフォン、HMD(Head Mounted Display)、スマートグラス、ウェアラブルデバイス(時計、バンド、ウェアタイプ等)、ドローン、IoT型ロボットなどの端末やデバイス、システム開発費、通信モジュール、通信費、プラットフォーム・クラウド利用料、運用管理費などを対象として、事業者売上高ベースで算出した。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    フィールドワーク支援ソリューションシステム

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