「男性15-19 歳では19.7%がe スポーツ関連動画に親しむ
~「e スポーツ関連動画ファン」における「ぶいすぽっ! Virtual eSports Project」、「Crazy Raccoon」、「ZETA DIVISION」の認知率は30%超~
1.調査結果概要
e スポーツとは「エレクトロニック・スポーツ」の略でコンピューターゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際に用いられる名称である。
プロ選手は一般的なスポーツ選手と同様、個人またはチームと契約して活動し、選手個人・チームは多数のファンを擁する。ゲームプレイとYouTubeなどの動画プラットフォームは相性が良いことから、e スポーツでは試合のほかゲーム配信等の動画によりファンベースが形成されることも多い。
このようにe スポーツの担い手として一番に想起されるのがプロ選手・プロチームであるが、昨今これらと並行して「ストリーマー」等と呼ばれる活動者もe スポーツを語るうえで無視できない存在となっている。彼らは前述の動画プラットフォームでゲーム配信を行い、広告収入や投げ銭収入を得るインフルエンサーである。ストリーマーはプロ選手のセカンドキャリアとなることもあり、e スポーツと親和性が高いゲームタイトルを扱うことも多い。また、昨今ではe スポーツのプロチームがマネジメントを行う事例も増え、ますますe スポーツと近接してきている。
このように、e スポーツへのタッチポイントはストリーマー等による動画にも広がっており、こうした潮流はe スポーツ市場興隆にも大いに寄与すると考えられる。
前述の流れを踏まえ、本調査ではeスポーツと親和性の高い6タイプのゲームに関するプレイ動画を好む消費者の実態を明らかにすることを目的とし、全国の15~34歳の男女で、趣味項目の中から「動画視聴」を選択し、月1 回以上視聴する動画ジャンルとして「ゲーム実況・配信」を選択し、eスポーツ文脈でも取り上げられやすい6ゲームタイプのいずれかをよく見るとした960名(以下、「e スポーツ関連動画ファン」)を対象に、アンケート調査を実施した。
「e スポーツ関連動画ファン」の出現率(性別・年代別にそれぞれ120サンプルを収集した結果に基づく値を出現率として算出)を性年齢層別に集計したところ、「e スポーツ関連動画ファン」は男女ともに若年層で出現率が高く、年齢層が上がるにしたがって出現率は低下する傾向が見られた。
また、性別にみると、女性で約4~10%に対し男性は「男性15-19 歳(19.7%)を筆頭に全ての年齢層で10%以上となっており、全年齢層で男性が女性よりも7~10 ポイント程度高い結果となった。
2.注目トピック
主要7 ゲーミングチーム認知率~認知率では「ぶいすぽっ! Virtual eSports Project」、「Crazy Raccoon」、「ZETA DIVISION」がトップ3~
「e スポーツ関連動画ファン」に対し、e スポーツシーン等で活動する主要7 ゲーミング
チームの認知状況を尋ね、認知状況を調査した。
最も認知率が高いのが「ぶいすぽっ! Virtual eSports Project」(35.5%)で「Crazy Raccoon」(34.0%)、「ZETA DIVISION」(33.0%)がこれに続く結果となった。
「ZETA DIVISION」、「Crazy Raccoon」はプロゲーミングチームとして世界規模の大会での実績も豊富であり、フォロワー数の多いストリーマーも多数抱えていることからeスポーツ、ストリーマー両方の文脈で認知を獲得したと考えられる。
これに対し、最も認知率が高かった「ぶいすぽっ! Virtual eSports Project」はプロチームではなくe スポーツ活動を行っているVTuber グループである。このような背景を加味すると、「ぶいすぽっ! Virtual eSports Project」はストリーマー文脈のほか同じく若年層を中心に配信活動等で人気を集めるVTuber 文脈などe スポーツと親和性の高い領域での認知を獲得していると考えられる。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】BCパターン
「e スポーツ関連動画ファン」におけるデジタルデバイス保有率
調査要綱
2.調査対象: 日本国内在住の15~34歳の男女960名
3.調査方法: インターネットアンケート調査
<本調査について>
本消費者アンケート調査では、2025年6月に日本国内在住の15~34歳の男女10,730名に対して、インターネットアンケート調査を実施した。
趣味設問項目の中から「動画視聴」を選択し、月1 回以上視聴する動画ジャンルとして「ゲーム実況・配信」を選択し、さらにe スポーツと親和性があると考えられるゲームタイプ(FPS、 MOBA、バトルロイヤル、格闘ゲーム、スポーツゲーム、落ちものパズルゲーム)のいずれかをよく見るとした960名(男性480名・女性480名)を対象に、インターネット・SNS等利用状況や、eスポーツ競技に関する動画・配信やゲームストリーマーによる動画・配信(以下「eスポーツ関連動画」)の属性・視聴頻度・時間・媒体・動機・投げ銭やグッズの支出額、ゲーミングチームや有名ストリーマーの認知状況などを調査・分析した。
なお、本調査対象者960名を、「e スポーツ関連動画ファン」と呼ぶ。
<市場に含まれる商品・サービス>
ゲーム、スポーツ、e スポーツ、VTuber、インフルエンサー
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