プレスリリース
No.4173
2026/09/17

製パン用原材料・機能材市場に関する調査を実施(2026年)

2025年度の国内業務用製パン材料市場規模は3,358億円、2030年度には3,530億円を予測
~人手不足を背景に、製造作業を減らし、品質を安定させる材料の需要が高まる~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の業務用製パン材料市場(主要5分野・7市場)を調査し、市場規模の推移・予測、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

国内業務用製パン材料(主要5分野・7市場)の市場規模推移
国内業務用製パン材料(主要5分野・7市場)の市場規模推移

1.市場概況

2025年度の国内業務用主要製パン材料市場規模(主要5分野・7市場)は、メーカー出荷金額ベースで前年度比101.0%の3,358億4,000万円となった。

2022~2023年度は、小麦や油脂等の原材料費に加え、包装資材費、エネルギー費、物流費などの上昇を受けた価格改定により、市場が拡大した。2024年度以降は価格上昇の効果が一巡し、市場全体の伸びは緩やかになっている。製パン用小麦粉や製パン生地用加工油脂などの基礎材料は、人口減少やパン製品の値上がりによりパンの生産数量が大きく伸びにくいことからも、おおむね横ばいで推移している。

こうした中、製パン現場では、人手不足や熟練者不足を背景に、計量や配合、仕込みなどの作業を減らし、品質を安定させる材料への需要が高まっている。このため、製パン用プレミックス、製パン用発酵風味素材・発酵種、製パン用改良素材などは堅調に推移している。製パン用フィリング・トッピングについても、商品の風味や見た目の差別化、調製作業の簡略化に対応する製品が需要を支えている。

また、冷凍・冷蔵製法の普及やパンの流通範囲の拡大に伴い、生地の扱いやすさ、冷凍・冷蔵後の品質、焼成後の柔らかさや風味を保つ機能も重視されている。製パン材料は、単なる原料としてだけでなく、製造工程の省力化、品質の安定、日持ちの向上などを支える手段として選ばれている。

2.注目トピック

材料選びは、価格だけでなく作業効率や廃棄削減も重視

製パン企業では、材料を選ぶ際に価格だけでなく、製造に必要な人数や作業時間、製造時に不良品が発生する割合、廃棄なども含めて総合的に判断する傾向にある。

材料の価格が従来品より高くても、計量や仕込みの工程を減らし、製品のばらつきや製造不良を抑えることができれば、パン1個当たりの製造コストを抑えられる場合がある。また、品質を安定させ、日持ちを向上させることも、廃棄の削減や収益の改善につながる。

今後は、材料そのものの価格や機能だけでなく、製パン企業の設備、製法に合わせて製造工程全体の負担をどこまで減らせるかが、材料の採用を左右するものとみる。

3.将来展望

2030年度の国内業務用主要製パン材料市場規模(主要5分野・7市場)は、メーカー出荷金額ベースで2025年度比105.1%の3,530億1,000万円と予測する。2025年度から2030年度までの年平均成長率(CAGR)は1.0%で、市場全体は緩やかに拡大する見通しである。

製パン企業における現場の人手不足や冷凍・冷蔵製法の広がりを背景に、作業の省力化、品質の安定、日持ちの向上、商品の差別化などに役立つ計量や配合などの作業を減らせる製品、パンの品質を安定させる機能性材料の需要は、引き続き堅調に推移するとみる。今後も製パン用小麦粉や製パン生地用加工油脂などの基礎材料が市場を支える一方、製造現場の課題を解決する材料が、市場全体の緩やかな成長を支える見通しである。

ただし、原材料費や物流費の高止まり、パン製品の値上がりによる消費者の買い控えなどが、市場の伸びを抑える可能性もある。これらの要因を踏まえ、国内業務用製パン材料市場は、急速な拡大ではなく、緩やかな成長が続くと予測する。

出典資料について

2026年版 製パン用原材料・機能材市場の実態と将来展望

発刊日:2026年07月30日 体裁:A4 338ページ
価格(税込): 275,000円 (本体価格 250,000円)
※本プレスリリースに一部のオリジナル情報を加えたショートレポートもご購入いただけます。

調査要綱

1.調査期間: 2026年4月~7月
2.調査対象: 製パン用小麦粉、プレミックス、加工油脂、パン酵母・発酵素材、改良素材、フィリング・トッピング等を取り扱うメーカー、販売会社、商社等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用

<国内業務用製パン材料市場とは>

本調査における国内業務用製パン材料市場とは、主要5分野・7市場を対象として、メーカー出荷金額ベースで算出した。
国内業務用製パン材料市場(主要5分野・7市場)は、①製パン用小麦粉、②製パン用プレミックス、③製パン生地用加工油脂、④製パン用パン酵母、⑤製パン用発酵風味素材・発酵種、⑥製パン用改良素材、⑦製パン用フィリング・トッピングを対象とした。
なお、家庭用製品、製パン用途以外の専用品、需要家の自家製造分、冷凍パン生地・完成パン等の中間・最終製品、砂糖、卵、米粉、純バター等は含まない。

また、製パン原材料の一部は、他の製パン材料の原料として使われた後、製パンメーカーに供給されるため、主要5分野・7市場の合計値には一部重複が含まれる。

<市場に含まれる商品・サービス>

①製パン用小麦粉(冷凍パン生地用小麦粉を含む) ②製パン用プレミックス ③製パン生地用加工油脂 ④製パン用パン酵母(イースト) ⑤製パン用発酵風味素材・発酵種 ⑥製パン用改良素材 ⑦製パン用フィリング・トッピング

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