調査目的：欧米では広く普及しているワランティ（延長保証）サービスだが、国内では2000年代初頭に大手家電量販店がポイントサービスと組み合わせて導入して以降、様々な業種・製品で採用されるようになった、なかでも携帯電話事業者の「端末補償サービス」は月額 300円から端末を損傷させた場合、直ぐに交換対応して貰えるため、多くのユーザーが契約した。
一方でワランティ（延長保証）サービスは導入企業にとって上手く運用すればメリットは非常に大きく、マーケティングツールとして活用できる。しかし、これだけ広く普及したワランティ（延長保証）サービスだが、市場調査レポート、統計資料は殆どなく弊社としても新たなチャレンジとして業界構造と市場規模把握を主目的に初めて取り組んだ資料となる。
調査対象：①ワランティ（延長保証）会社5社　②住宅販売会社2社　③住設機器メーカー3社　④携帯電話販売店2社　⑤ホームセンター2社　⑥中古車販売店2社　⑦自動車ディーラー2社　⑧家電量販店2社　⑨リフォーム会社2社　　計22社
調査方法：
①弊社専門調査員による面接取材調査（オンライン含む）
②技術、サービス動向セミナー取材
③当社データベース、過去実施の調査データからの考察
調査期間：2021年12月～2022年8月

ワランティ（延長保証）サービス市場の調査を実施（2022年）
2021年の国内ワランティ（延長保証）サービス市場は1兆5,557億円
～ワランティサービスは広く浸透、消費者保護の観点から有効なだけでなく、サービスを提供するメーカー、販売店にとっても大きな効果が生まれる～

• 携帯電話市場では、スマートフォンの修理保証サービスを逸早く導入し普及させている。月額300円の課金で修理期間中の代替機貸出や、先行して新品交換を行うなどの手厚いサービスを提供し、高い加入率を獲得している。
• 家電量販店でも販売店に拠って内容に差があるものの、延長保証サービスを提供するのが一般的になっている。特に冷蔵庫、エアコン、大型TV等、高額商品での利用が普及している。
• 感染リスク対策の一環として新車、中古車の需要が増加するなど、自動車需要にも大きな変化が起こった。また電動化が進む中、バッテリーを中心にリスク要因が高まることから、電気自動車の取り扱いについてサブスクリプション型の導入が活発化しつつある。自動車販売の手法が変化する中、カーディーラーではメンテナンスパックの推奨と合わせて、延長保証の斡旋に力を入れている。 中古車に於いても延長保証サービスの斡旋が定着している。
• 住宅の新規着工件数が頭打ちになる中で、不動産会社、住宅販売会社、リフォーム業界では顧客サービスの向上、物件の付加価値化を目的にワランティ（延長保証）サービスを強化している。最近では災害リスクの増加や、リフォーム需要の増加に合わせて、住宅設備機器を含めた延長保証サービスが充実し始めている。
• 最近では在宅の増加に伴い、DIY需要が増加しており、それに合わせて電動工具の市場が急拡大している。ホームセンターでは電動工具、キャンプ用品の売上が増加しており、独自の延長保証サービスの提供を始めている。
• 上記にあるように、従来からの携帯電話、家電量販店以外にもコンシューマ市場では様々なワランティ（延長保証）サービスが提供されている。最大の目的は「顧客接点の強化」にあり、CS向上、マーケティング活動、ビジネス機会の拡大といった様々な副次的効果が見込まれる。またサービスを提供する保証会社にとっても既存サービスを含めたビジネス機会の拡大を図っており、今後も様々な分野で新規サービスが導入される見通しである。