2024年の世界二輪車販売台数は前年比102.6％の5,936万台となった。成長の主導役はインドで、農村地域の需要拡大やGati Shakti計画など政府支出の加速によって前年比11.5％増を達成し、世界最大市場の地位を確立した。一方、中国は電動二輪の更新需要が一巡し、経済不振の影響で国内市場は縮小を続けている。ASEANは輸出回復と内需回復などによって経済が堅調な推移をみせた国が多く、ローン審査の厳格化が尾を引くタイ以外ではプラス成長を遂げている。
電動化においては四輪では減速の傾向がみられるも、二輪ではインドやASEANで成長は継続。日系メーカーでも電動モデルの投入が本格化し、価格コンシャスなユーザーが多い新興国にも攻勢をかけ始めた。迎え撃つのは、ペネトレーションプライシングでこれまで市場をけん引してきた地場ベンチャーである。中国メーカーも需要を国内から海外に求め、価格だけでなくスマート化を武器に勝機を探る。車電分離やカーボンニュートラル燃料、二輪でのコネクテッドの難しさなど新たな問題に直面する二輪市場の最前線に迫る。