英国、EU離脱へ。産みの苦しみの「その先」に期待


英国はEU残留の可否を国民に問い、国民は離脱を選択した。開票直後の高揚そして英国全体に漂い始めた“後悔”、突き放す独仏伊、動き出すスコットランド、北アイルランド、割れたままの議会、キャメロン氏を継ぐリーダーの不在、、、、世界中で株価と為替が揺らいだ。しかし、遠からずマーケットは収束するだろう。英国抜きのEUは、やがてそれが常態化するはずだ。

今回の英国の決定は、移民、世代間対立、民族主義、格差、EUの構造問題、という文脈で解説される。いずれも間違いではないし、背景は複合的だ。しかし、唯一確かなことは現状に対する大衆の不満が原動力となったことだ。そして、その先にあるのはサッチャー氏が再生させた「英国の終焉」である。グローバリズムと米国、EUとの関係性を梃に、かろうじて維持されてきた大英帝国の威信に自らの手で“幕を引く”決断をしたということだ。

混乱と停滞は当面続く。しかし、10年ではなく100年という時間軸の中で振り返ったとき、「2016年6月23日は “新自由主義”に代わる新たな世界観の出発点となった」と評されるかもしれない。13世紀、マグナカルタによって「法による支配」と「立憲主義」を世界に先駆けた英国の、未来からやってくる知恵に期待したい。

今週の”ひらめき”視点 06.26 – 06.30

代表取締役社長 水越 孝

 

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