高齢者施設の平均入所率は約9割 喫食者数が入所者数を超える施設も
~調理方式はクックサーブが主流も、計画生産が可能な新調理方式も増加~
1.調査結果概要
高齢者施設における食事は、一般的には給食サービスとして、高齢者施設の入所者や利用者の健康状態や身体状況(咀嚼・嚥下機能)に合わせて、食事の形態(普通食や介護食)や栄養バランスに配慮した食事が提供されている。
高齢者施設で提供される食事(給食)には、施設が自ら調理して提供する直営方式のほか、外部の給食サービス事業者に委託する外部委託方式がある。昨今は、いずれの方式においても完全調理品(調理済みで、そのまま、あるいは温めて盛り付けるだけで提供できる食品)を活用する施設が増えている。
本調査は、2025年8月~9月に全国の高齢者施設315施設(特別養護老人ホーム(特養)67施設、介護老人保健施設(老健)52施設、介護医療院46施設、軽費老人ホーム53施設、介護付き有料老人ホーム48施設、サービス付き高齢者向け住宅49施設)を対象に高齢者施設で提供される食事サービスに関する法人アンケート調査を実施した。施設種類別に、「特別養護老人ホーム(特養)」、「介護老人保健施設(老健)」、「介護医療院」、「軽費老人ホーム」、「介護付き有料老人ホーム」、「サービス付き高齢者向け住宅」の6属性に区分し、集計した。
本調査結果から、高齢者施設の入所率(定員数に対する入所者数の割合)を算出すると、平均入所率が最も高かったのは「軽費老人ホーム」(95.4%)で、反対に最も低かったのは「介護老人保健施設(老健)」(89.1%)であったが、本調査対象の高齢者施設(6属性)の平均入所率はいずれも概ね9割に達していることが示された。
喫食率(入所者数に対する喫食者数の割合)については、平均喫食率が最も高かったのは「介護老人保健施設(老健)」(105.8%)、反対に最も低かったのは「介護医療院」(63.2%)であった。なお、デイサービス等を併設する施設では入所者以外にデイサービス利用者も対象になることから、喫食者数が入所者数を超えることがある。また、施設によって、口から食事を摂ることが難しい人のために胃や腸に直接栄養剤を注入する経管栄養を喫食者に含むか含まないかでも喫食率に差異が生じる。
2.注目トピック
食事の調理方式
高齢者施設における食事の調理方式は、全体では出来立ての料理を提供する「クックサーブ方式」が70.2%、加熱調理した料理を急速冷却してチルド温度帯で保存する「クックチル方式」が18.4%、大規模施設でまとめて調理する「セントラルキッチン方式」が9.5%と続いた。また、「クックサーブ方式」を導入している施設の約2割が「ニュークックチル方式」(加熱調理した料理を予め器に盛り付けた状態でチルド保存する方式)や「真空調理方式」(食材と調味料を真空パックに入れて低温加熱調理した後、チルドや冷凍保存する方式)等の新調理方式を含む他の調理方式を併用していた。本調査結果から、現状、高齢者施設における給食は「クックサーブ方式」が主流であるものの、新調理方式の導入も少しずつ進んでいることが示唆された。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】BCパターン
使用している食器の種類
調査要綱
2.調査対象: 全国の高齢者施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護医療院、軽費老人ホーム(B型除く)、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)
3.調査方法: 郵送留め置きアンケート調査および文献調査併用
<高齢者施設における食事に関する法人アンケート調査とは>
高齢者施設における食事に関する法人アンケート調査とは、2025年8月~9月に全国の高齢者施設315施設(特別養護老人ホーム(特養)67施設、介護老人保健施設(老健)52施設、介護医療院46施設、軽費老人ホーム53施設、介護付き有料老人ホーム48施設、サービス付き高齢者向け住宅49施設)を対象に食事サービスに関する法人アンケート調査を実施し、高齢者施設における食事の提供内容や外部への委託状況、完調品の使用状況等、食事サービスの実態や課題を分析した。ここでは一部の分析結果を公表する。
<市場に含まれる商品・サービス>
給食(直営、外部委託)、完全調理品(完調品)
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