1.調査結果概要

本調査ではアパレル業界で進められている店頭での不要衣類の回収、リユース（再利用）、リサイクル（再資源化）の現状と課題、環境負荷に関する指標の開示状況など、循環型ファッションの推進に関する取り組みについて、2025年6月に国内主要アパレルメーカー、小売業、卸・商社59社に対し、法人アンケート調査を実施した。

アパレル業界ではグローバルなメガトレンドであるサステナビリティの潮流を受けて、環境負荷軽減の取り組みを行う企業が増えている。不要衣類の回収は衣類の資源循環を促進する取り組みであり、大手のアパレル企業を中心に行われている。実際に不要衣類の回収を行っているかどうか（単数回答）について、本調査では約36％が行っており、約63％が回収をしていないという結果であった。同様の調査を2年前の2023年6月に行った時と比較して、今回の調査結果に大きな違いはなかった。

不要衣類の回収を行っていない企業（37社）の理由（複数回答）として最も多いのは「コストがかかりすぎる」（40.5％）で、次に「人手が足りない」、「回収するほど自社の製品の販売量が多くない」（いずれも27.0％）だった。２年前の調査との比較では「回収→リユースorリサイクルを行うメリットがよくわからない」という回答が28.6％から10.8％まで17.8ポイントと大幅に減少していることから、アパレル業界で環境経営への理解が一定程度進んできたと考える。

2.注目トピック

不要衣類の回収が進まない大きな理由はコスト負担

​本調査結果から、アパレル業界で不要衣類の回収、リユース（再利用）、リサイクル（再資源化）が進まない理由として、不要衣類の回収からの一連の取り組みのコスト負担の大きさが挙げられる。

アパレル企業が店頭で不要衣類を回収した後にリユースあるいはリサイクルの再資源化を行うには、回収した不要衣類を選別、リユース、リサイクルを行う故繊維事業者（繊維くずや古着を回収、選別、再資源化を行う事業者）などの外部事業者と連携して行う必要がある。不要衣類の回収からリユース、リサイクルまでの一連のコストを個別企業で負担するには中小企業にとっては大きな負担になる。
​さらに、リユースあるいはリサイクルは販売先や購入先が確保できなければ、円滑な資源循環にならず、販売先や購入先といった出口戦略の確保も重要になっている。

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BCパターン

注目トピックの追加情報 ※1

調査結果詳細の追加情報

　環境経営の意識が高まるも定量的な環境配慮情報の開示率向上が業界の課題
　求められるトレーサビリティの確保

調査要綱