海外市場で営業機会を逃さないための「ハラール認証」

日本でハラール認証を取得するメリットがあるのは、特に食品、化粧品、医薬品に使用される原料です。海外市場で原料を様々な製品に採用してもらうための品質保証の一つとしてハラール認証はその存在感を増しています。
日本にいると実感しにくいことですが、世界人口の約4分の1はイスラム教徒、東南アジアでは人口の約4割がイスラム教徒です。若年層が多く今後も経済成長が期待される東南アジア市場は日本にとって有力な輸出先です。

インドネシア向けの製品はハラール認証取得の準備を

東南アジアの最大の消費市場であるインドネシアでは、現在、食品、化粧品、医薬品全般においてハラール証明書を義務化する法律が施行されています。ただし、インドネシア政府も完全な義務化の体制となるまでにかなりの時間がかかると考えており、段階的な義務化を進めております。インドネシア向け食品、化粧品、医薬品関連製品・原料でまだ認証を取得していない場合は、インドネシアのハラール認証を取得する準備を進めることをお勧め致します。矢野経済研究所のハラール事務局(halal@yano.co.jp)ではインドネシアのハラール認証取得方法について情報提供を行っておりますので、お気軽にお問合せください。

日本企業がハラール認証を取得する意味・利点

ハラール認証は販売先の顧客が求めることから取得を検討する企業が増えております。海外市場でハラール認証を取得しないことでどの程度営業損失になるのか明確なデータはありませんが、よく聞かれるのが、「営業において自社の製品も競合製品と遜色ないようにハラール認証があった方が良い」という判断です。その意味ではハラール認証は海外市場において「標準装備」のような位置づけの品質保証といえるかもしれません。

ハラール認証を取得する場合は、製品の開発段階から取り組むことが理想です。既に完成している製品の製法をハラール認証のために変更するのは容易ではありません。ハラール認証取得にかかる費用が売上に見合うものかどうかの判断と同時に、ハラール認証を取得するかどうかの判断基準の一つとして、「ハラール認証を取得しない場合の営業機会損失はどの程度か」を想定すると、ハラール認証への投資判断の有無が少し見えてくるかもしれません。

営業機会を逃さないためのハラール認証、ぜひとも検討してみてはいかがでしょうか?

矢野経済研究所ハラール事業推進室

インドネシアのハラール研修12月1日(木)~2日(金)