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第87回選抜高校野球大会（センバツ）は4月1日、決勝戦が行われ、福井県代表の敦賀気比高校が北海道代表の東海大四高校に3‐1で勝利。福井勢として初の優勝を飾り、北陸勢としても春夏を通じて甲子園で初優勝となり、東海大四は北海道勢初の選抜での優勝はならず、悔しい準優勝という結果になりました。
同じ野球の話題として、3月27日にはプロ野球が開幕。以降、毎日熱戦が繰り広げられ、メジャーリーグから8年ぶりに広島東洋カープに復帰した黒田博樹投手などの活躍により、盛り上がりを見せております。

また、フィギュアスケートの世界選手権で連覇を狙った羽生結弦選手。惜しくも銀メダルとなりましたが、ケガや病気に苦しむシーズンなった今シーズン、無事競技に復帰できたことは嬉しいニュースです。

経済では、中国主導による国際金融機関「アジアインフラ投資銀行（AIIB）」の参加表明が31日に締め切られました。参加を表明した国は46ヶ国に上り、イギリス、フランスなど欧州の主要諸国を含め、韓国、オーストラリアなどアジアの諸国も参加をしています。日本は参加を見送る方針を取り、今後の動向が注目されます。
今週のニュースで注目を集めたキーワードの考察は、キーワードジャーナルからご確認いただけます。
　

未来を見通すための戦略思考　～矢野経済研究所代表による今週のコメント

■平成27年度税制改正、リスクは“その先”にある

4月1日、新年度の税制がスタートした。法人課税は実効税率の引き下げ、欠損金繰越控除の見直し、外形標準課税の拡大など、「稼ぎ」に対するインセンティブに課税のベクトルが向いた。
政府の目玉政策である“地方創生”、“賃上げ促進”関連では、本社機能の地方移転に対する優遇、「ふるさと納税」の簡素化、所得拡大促進税制の要件緩和などが目新しい。国境を越えた電子商取引への消費税課税（10月より）も注目に値する。

1人当り1000万円まで認められる「結婚・子育て資金贈与」もはじまった。この制度は2013年に新設された1人当り1500万円までの「教育資金贈与」に比べて、使途の自由度が高く、かつ、広範におよぶ。狙いは祖父母世代から子世代への資産移転、つまり、「シニアにお金を使わせる」ことにある。1600兆円を越える家計の金融資産の2/3をシニア世代が保有していることを鑑みるとマクロ的に正しい。

一方、2人以上の世帯における金融資産の平均値は1,182万円、中央値は400万円。そして、平均を下回る人が全体の7割、中央値を下回る人が全体の半数を占める（金融広報中央委員会、2014年調査より）。また、16.1％のこどもたちが貧困線（＝122万円）以下の世帯収入の中で育つ（厚労省）。
「最良の教育を受ける」、「幸福な家庭を持つ」ための条件が特定の階層にのみ承継されるならば社会は徐々に固定化し、やがて途方もないナショナリズムと過激思想が芽生える。社会の多様性、健全性をどう維持するのか。「その先」にあるリスクを看過してはならない。

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