2025年版 高機能分離膜市場の現状と将来展望

分離膜には材料や孔径によって様々な種類があり、水処理、食品、医薬品、化学、石油、鉄鋼など幅広い分野で活用されている。なかでも、近年はカーボンリサイクルやCCS/CCUの経済性向上に貢献するCO2分離膜、カーボンフリーエネルギー源である水素の分離・精製等に用いられる水素分離膜の研究開発が活発化している。
2023年 6 月に公表された「カーボンリサイクルロードマップ」では共通技術であるCO2分離・回収に係るコストを2030 年に低圧ガス用:2,000 円台/t-CO2、高圧ガス用:1,000 円台/t-CO2に設定し、その実現に向けた技術革新を推進することが示された。CO2分離膜を用いた膜分離法は、低圧ガス、高圧ガスのいずれの分離・回収にも適用可能な技術と位置づけられるなど、新たな成長技術としての期待感が高まる傾向にある。
水素エネルギーにおいては、ロシアによるウクライナ侵略を契機にその利活用が一気に現実味を帯び、世界各国で水素戦略の策定と関連する法整備が進むとともに、研究開発への官民投資が拡大している。水素分離膜はグリーン水素の普及、CO2削減、エネルギー自立に寄与する技術として政策支援や国際協力の対象になっている。
本企画ではCO2分離膜および水素分離膜を調査対象とし、各分離膜の材料別・用途別の市場動向、研究開発トレンド、参入企業の事業戦略を分析する。

発刊日
2025/08/29
体裁
A4 / 137頁
資料コード
C67107000
PDFサイズ
11.9MB
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調査資料詳細データ

調査概要
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調査目的:本調査レポートでは、CO2分離膜、水素分離膜の開発トレンドや需要動向、普及に向けた課題、参入企業の事業戦略を分析するとともに、2032 年までの世界市場規模を予測する。
調査対象
・CO2分離膜(用途区分:バイオガス精製用、天然ガス精製用、排ガス処理用)
・水素分離膜(用途区分:石油・化学分野、半導体分野)
調査方法:弊社専門調査員による直接面接取材および文献による調査
調査・分析期間:2025年5月1日~2025年8月25日
掲載内容のお問い合わせ先
株式会社矢野経済研究所 インダストリアルテクノロジーユニット

調査結果サマリー
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高機能分離膜世界市場に関する調査を実施(2025年)
高機能分離膜の世界市場は2032年に1,900億円規模に拡大を予測
 ~ CO2分離膜はバイオガス精製用途が成長を牽引、水素分離膜は 石油・化学分野の需要が底堅く推移する見通し~ 

資料ポイント
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  • 世界のCCS/CCU関連政策、水素関連政策のポイントを解説
  • CO2分離膜の用途別世界市場を推計(2024年~2032年予測:金額)
    ※用途:バイオガス精製用、天然ガス精製用、排ガス処理用
  • CO2分離膜の材料別の研究開発動向を分析
  • 水素分離膜の用途別世界市場規模を推計(2024年~2032年予測:金額)
    ※用途:石油・化学分野、半導体分野
  • 水素分離膜の材料別の研究開発動向を分析

リサーチ内容

第1章 高機能分離膜市場の将来展望
 
高機能分離膜の世界市場は2032年に1,900億円規模に拡大も
新規参入企業の増加により競争は激化の兆し
顧客ニーズを満たすハイブリッドプロセスの提供に向け
素材とエンジアリングを融合するプラットホームの整備が重要に
  (図・表)高機能分離膜 世界市場規模推移(2024年~2032年予測:金額)
 
第2章 CO2分離膜市場の動向
 
1.CO2分離膜の概要
  (図)CO2分離膜の原理
  (表)CO2分離膜の種類と特徴
  (図)各種CO2分離膜の構造
  (表)主なCO2分離技術
  (図)CO2回収関連技術の開発の見通し
  (表)カーボンリサイクルロードマップにおけるCO2分離回収の技術開発目標
2.CO2分離回収に係る日本の支援施策
  (図)CO2分離回収に係る日本の支援施策
  (表)GI基金「CO2の分離回収等技術開発」の概要
  (表)カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/
  CO2分離・回収技術の研究開発の概要
3.CCS / CCU関連政策
  (1)日本のCCS / CCU関連政策
    「CCS長期ロードマップ」で2050年にCO2貯留1.2億~2.4億トンを目標に掲げる
    (表)CCS長期ロードマップの概要
  (2)米国のCCS / CCU関連政策
    脱炭素化の動きは後退も、IRAにおけるCCS / CCU向け税額控除は維持・強化へ
  (3)EUのCCS / CCU関連政策
    2030年にCO2貯留能力5,000万トンの実現に向け
    CCU / CCS技術のR&D・実証支援、CO2輸送インフラ整備を加速
    (図)EU内のCCS・CCUによるCO2回収量(上図)と回収されたCO2の発生源別割合(下図)
  (4)英国のCCS / CCU関連政策
    2030年までに4つのCCUSクラスターを整備し
    年間CO2貯留2,000~3,000万トンを目標に設定
  (5)オーストラリアのCCS / CCU関連政策
    大規模排出事業者のGHG排出削減に向け、セーフガード・メカニズムを改定
  (6)カナダのCCS / CCU関連政策
    連邦政府がクリーン経済投資税額控除を導入、CCUSプロジェクトが対象に含まれる
4.CO2分離膜の市場動向
  バイオガス精製用の需要が牽引し、高成長率が続く
    (表)CO2分離膜の対象となるガス排出源
    (図・表)CO2分離膜 用途別世界市場規模(金額:2024年~2035年予測)
    (図)バイオガス精製用CO2分離膜 地域別需要構成(2024年:金額ベース)
  天然ガス精製・分離用途ではCO2-EOR向けで需要を取り込む
    (図)FPSOを活用したCO2-EOR
  排ガス処理用は2030年以降の社会実装を目指した研究開発が活発化
  有機膜では実用化に向けた促進輸送膜の研究開発が進展
    (図)促進輸送膜のメカニズム
    (表)国内における促進輸送膜の研究開発動向
  ゼオライト膜はCO2-EOR、天然ガス精製などの用途で実証が進展
 
第3章 水素分離膜市場の動向
 
1. 水素関連政策
  (1) 日本の水素関連政策
    (図)水素関連の戦略策定状況
    (図)2050年に向けて成長が期待される14の重点分野と目標
  (2) EUの水素関連政策
    (図)「REPowerEU」のイメージ
  (3) 米国の水素関連政策
    (図)水素ハブに選定された7つの地域
    (表)「U.S. National Clean Hydrogen Strategy and Roadmap」における重点プログラムの目標
  (4) 中国の水素関連政策
    (表)「省エネ・新エネ車技術ロードマップ2.0」の主な水素・燃料電池関連目標
  (5) 韓国の水素関連政策
    (表)「水素経済活性化ロードマップ」における主な目標値
    (表)第1次水素経済履行基本計画」における主なマイルストーン
    (表)「3UP成長戦略」における主な目標
2. 水素分離膜の市場動向
  水素分離膜市場は石油・化学分野向けの需要が底堅く推移
    (図・表)水素分離膜 用途別世界市場規模(2024 年~2032 年予測:金額)
    (表)メタン熱分解技術の主な類型
    (表)メタン熱分解技術の社会実装に取り組む主な海外企業
    (図・表)NEDO「水素利用等先導研究開発事業/
    炭化水素等を活用した二酸化炭素を排出しない水素製造技術開発」
  金属膜ではPd代替を狙ったV合金膜の開発が進む
    (表)水素分離膜の材料別分類
3. 注目用途:燃料電池システムの市場動向
    (表)自動車用燃料電池システム世界市場規推移(2024年~2032年予測:台数)
    (図)自動車用燃料電池システム世界市場のメーカーシェア(2024年:台数)
    (表)業務・産業用燃料電池システム世界市場規模推移
    (2023年~2028年予測、2032年予測:容量)
    (表)主な業務・産業用燃料電池システムメーカー
    (表)業務・産業用燃料電池システムの種類別シェア(2024年:容量)
 
第4章 高機能分離膜メーカー・研究機関の動向
 
UBE株式会社
  分離膜を高収益・高成長を担えるスペシャリティ事業と位置づけ
  環境領域の拡張により一層の事業規模拡大を目指す
  バイオメタン製造向けCO2分離膜の旺盛な需要に対応するため
  中空糸膜・モジュールの製造設備を従来比1.8倍に増強へ
  水素分離膜は蓄積してきた知見を活かし、化学工場向けを中心に展開を強化
 
ポリプラ・エボニック株式会社
  用途ごとに最適化した分離膜の提案、技術サポートを推進
  高い分離性能を有するSEPURAN® Greenは
  国内最大級のバイオガスプラントで順調に稼働を継続中
  SEPURAN® Nobleはメタネーションプロセスへの展開を推進
  ヘリウム回収・精製用途では半導体分野で採用を獲得
 
東レ株式会社
  炭素繊維と水処理膜の技術を融合・進化させ
  革新的な新規分離膜の創出に成功
  オールカーボン製CO2分離膜の量産技術開発、実ガス試験を推し進める
  2025年度内に製膜用パイロット設備の稼働を予定
  バイオガス精製向けに2026年度中の実用化を目指す
 
住友化学株式会社
  CO2分離とCCUを統合した炭素循環ビジネスの創出を目指す
  ごみ焼却場の燃焼排ガスをターゲットに
  低消費エネルギーのCO2分離膜モジュールの開発を推進
  分離システムの開発では前処理工程での夾雑ガス除去を重点化
 
東ソー株式会社
  持続可能な社会の実現に向け
  CO2の分離回収・有効利用技術の開発を強化
  産学連携による高性能CO2分離中空糸膜モジュールの開発に取り組む
  火力発電所の実排ガスを用いた試験・評価をはじめ
  モジュールのスケールアップ、耐久性向上などが着実に進展
 
日本ガイシ株式会社
  カーボンニュートラル・CO2排出量削減への貢献に向け
  サブナノセラミック膜の開発・用途拡大に取り組む
  高い選択性、透過性と耐久性を兼ね備えたサブナノセラミック膜は
  ガス分離、脱水プロセス向けに用途開発を進める
 
カナデビア株式会社
  各種膜分離プロセスに係る技術開発を推し進め
  省エネルギー化に基づく地球環境との共生に貢献
  A型ゼオライトを用いた膜分離システムは
  有機溶剤の精製・脱水用として国内外で実績を積み上げる
  2025年7月に高い選択性を有するガス分離用ゼオライト膜を上市
 
田中貴金属工業株式会社
  極薄材加工技術と高清浄技術を適用し
  高い信頼性と水素透過性能に優れる水素透過膜を展開
  合金溶解から圧延までの一貫加工体制を整備
  二元系、三元系など様々なパラジウム合金に対応
 
日本精線株式会社
  水素社会の実現に貢献する次世代技術・製品の開発を加速
  Pd合金圧延箔を用いた水素分離膜モジュールの引き合いは増加傾向
  優れた水素透過性、精製効率、耐久性などが高い評価を受ける
  触媒ワイヤーを用いた水素回収モジュールは実証実験段階に移行
 
株式会社山王
  高度なプレス加工・表面処理のノウハウを応用し
  将来の柱となる新規事業の創出を加速させる
  電解めっきによる低コスト・高効率なPdCu合金水素透過膜は
  基礎研究から企業間の共同開発へ軸足を移す
  回収可能な電解めっきによる純Pd単層膜の成膜にも成功
 
国立大学法人宇都宮大学
  膜反応器による効率的物質変換プロセスと新規膜の研究を進める
  生成水素の90%以上が膜を透過し
  トルエン水素化によるMCH合成を達成
 
国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学
  触媒反応と膜分離を組み合わせた新規統合化プロセスの研究を推進
  耐熱性水素選択透過膜を組み込んだ水素分離型反応器を
  多様な水素製造反応へ応用
 
独立行政法人国立高等専門学校機構大分工業高等専門学校
  次世代エネルギー社会の構築に向け
  水素分離膜をはじめとする最先端の金属材料開発に取り組む
  バナジウム合金水素透過膜の大面積化・大流量化・積層化により
  大流量デバイス化に成功

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