今週の"ひらめき"視点

免税制度、来月からリファンド方式に。インバウンド需要への影響は?

10月15日、高島屋は増収増益となった中間決算を受け、通期業績見通しを上方修正、2027年2月期営業収益を4月に発表した5030億円から5091億円(前期比103.4%)へ、営業利益を同575億円から590億円(同110.2%)へ引き上げた。好調なインバウンド需要に加え、国内顧客売上高も堅調に推移、為替効果に押し上げられた海外事業も寄与する。

直近9月も好調だ。伸び率はやや鈍化したものの店頭売上高は前年比+2.4%となった。けん引役はやはりインバウンド、件数こそ前年並み(前年比+0.3%)であったが単価は同+12.5%と伸長、免税売上高は同+12.8%となり売上増に貢献した。中国からの訪日客数減を受けて客数は伸び悩むものの円安を背景としたインバウンドによる高額品需要は旺盛で三越伊勢丹の9月免税売上高も前年比+36.5%を記録した。

11月1日、インバウンド需要を支える免税制度が「リファンド方式」に変わる。現行制度では店頭で旅券等を提示、税抜き価格で商品を購入する。一方、リファンド方式では一旦、税込価格で商品を購入、事業者は購入記録情報を国税庁に送信、出国時に税関が購入者と対象商品を検査・確認したうえで消費税分が返金される。今回の変更は現行制度の隙をついた不正な免税転売の横行が契機となったが、リファンド方式それ自体は多くの国で採用されており、海外旅行に慣れた人にとって違和感はないだろう。

ただ、旅行中の支出増、出国時の手続き、返金までのタイムラグといったネガティブ要件もある。店側においても承認送信事業者※とのシステム連携等における初期費用、店舗スタッフへの教育など新制度への対応コストも発生する。一方、消耗品と一般物品の区分がなくなるなど簡素化もはかられる。また、従来 “特定商業施設内”に限定されていた免税カウンターの設置に関する制約もなくなる。つまり、地域の商店街や観光地全体を免税エリアとすることが可能だ。観光客にとっても小規模店にとってもメリットは大きい。一時的な混乱はあるだろう。しかし、需要そのものが縮小するわけではない。百貨店や大型商業施設はもちろん、地域全体で免税売上、すなわち、“物品輸出”の拡大戦略を講じていただきたい。

※承認送信事業者:免税店に代わって旅券情報や購入記録情報を国税庁へ電磁的に送信することができる国税庁長官または所轄税務署長の承認を受けた事業者


今週の“ひらめき”視点 2026.10.18 - 10.22
代表取締役社長 水越 孝