今週の"ひらめき"視点
持続可能な地域の再生に向けて。全国一律思想からの脱却を
Photo:東京都あきる野市乙津地区の里山 撮影:筆者
4月14日、小池都知事は地方交付税の偏在是正に関する国の方針に対して「制度そのものに問題がある」と異議を表明した。地方自治体が担うべき“標準的な”行政サービスを“全国一律”の基準で算出し、そこを上限に税収見込み額との差額を補填する現行制度は、自治体自らの努力で支出削減や税収増を実現すると差額が縮小、つまり、交付金は減少する。確かにこれでは改革への意欲は削がれかねない。一方、資本と人口が国内外から集中する東京の優位もすべて“都政”の成果に帰するものではない。現行制度の改革はもちろんであるが、東京もまた“首都”としての立場から国土の在り方を論じていただきたい。
高度成長期以来、国土開発の基本理念は「均衡ある発展」であった。しかし、東京一極集中は是正されず、地域間格差も拡大した。国が主導する予算分配型施策の限界は地方の側も認めるところである。とは言え、面的な平準化への呪縛は国と地方、双方に残る。まずはここからの意識改革が必要だ。都市と地方が補完し合う動的ネットワークを掲げた“滞留促進型国土構想”(2014年、国交省)、人口減少を所与の条件とし、地域の特性に応じた稼ぐ地域の実現を目指した“地方創生2.0”(2025年、石破内閣)。これらをどう継承し、“その土地ならでは”を実現するか、ここが地域再生の鍵となる。
先週、筆者は“たま未来・産業フェア”会場にてご縁をいただいた(株)東京山側DMCの幹部のお二人、みちくさの達人“サクちゃん”こと櫻澤裕樹氏と修験道の修了者でもある西川佳克氏に、同社の自然体験フィールド「あきる野市」を案内いただいた。秋川流域は約3億年から1.5億年前の秩父帯、1.1億年から7千年前の四万十帯、1500万年前の日本列島形成期の地層で出来た五日市盆地など複数の地層が重なり合う稀有なジオパークであり、それぞれの地質の特徴が独自の景観と人々の営みを特徴づけてきた、とのことである。
同社にとっての“マチヅクリ”はその土地固有の「風土」を理解することが出発点となる。「風土」の価値を発掘し、事業として実装できる人材を育成し、各地の行政、DMO、DMCとの連携を通じて自律分散型のネットワークを築くこと、これが同社の目指す地域創生のゴールである。そんな同社が企画する探求型自然体験スクールの参加者は年間3万人を越える。自己判断力を高め、生き抜く人間力を向上させる多様なプログラムは企業研修としても人気が高い。「風土」の再生を軸に都市と地域を関係づける同社の地域創生事業を応援したい。
参考:東京山側 / TOKYO YAMAGAWA DMC – 東京山側DMC
※6月28日(日)、同社は東京都あきる野市五日市の田んぼにて「お田植え神事」を開催するとのこと、ご興味のある方は是非どうぞ。
https://fb.me/e/5KvXLdY2E
今週の“ひらめき”視点 2026.4.12 - 4.16
代表取締役社長 水越 孝
